タイトルの通り、私は2022年8月からアビタス経由でオンラインのUMass Lowell MBAの受講を開始し、この前の2024年5月度に卒業をしました。
オンラインMBAを志した背景からやってみた感想などを記載しようと思います。
これからMBAを目指す方々の参考になれば幸いです。
目次
UMass Lowell MBAをやってみた感想|はじめに

ブログの目的と対象読者について
このブログは自分がオンラインMBAを受講して感じたことや実体験を残すためのものになります。
ですので対象となる読者の方はオンラインMBAを志している方やUmassプログラムに興味がある方になります。
UMassオンラインMBAプログラムについて
UmassオンラインMBAプログラムはUSCPAでも有名なアビタスが仲介会社となりマサチューセッツ州立大学と提携したMBAプログラムになります。最短で2年弱での卒業が可能となっています。
授業のコマ数を調整することができるので、この期間は受講しないなどライフスタイルに合わせて柔軟な受講が可能です。
私のプロフィールについて
私は社会人10年目くらいの男で、当時はシンガポールで広告会社のマネージャーとして働いていました。マーケティング(学問的に言うとプロモーション)を専門とする中で、マーケティングをより深くものにするために経営について理解をして、体系的に知識として得たいという思いから、MBAを受講することにしました。
もともとシンガポールで働いていたこともあり英語でのコミュニケーションは問題なく、とはいえ難関大学で必要なGMATなどの英語のテストをスコアメイクをしている時間や気概もなかったため英語のテストが必要でないUMASSを受講しようと思いました。
UMassオンラインMBAの概要
プログラムの歴史と評価
UmassオンラインMBAはアメリカのオンラインMBAの中では比較的レベルも高く、メディアのオンラインMBAランキングでも、州立大学ながら上位に来ています。兎にも角にもアメリカの大学のMBA資格を取りたいという方(英語で授業を進めたい)方にはぴったりでしょう。

オンライン学習のメリット
UmassのオンラインMBAのメリットは柔軟性だと思います。私はすべての期間で2コマづつ取得して最短2年で卒業しましたが、人によっては1コマづつ4年とか、状況に応じて授業を取らない時期も作れます。
家族がいるような家庭でも無理なく続けられると思います。ちなみに二コマずつ取得するというのは非常に大変です。毎日2時間、休日は4時間、くらいが必要です。
特徴的なカリキュラムや教育アプローチ
アビタスMBAは基礎課程と上級課程があるのですが、基礎課程は英語の教科書を使って日本人の先生が日本語で教えてくれます。上級課程になるとアメリカの教授が英語で教えてくれます。基礎課程も上級課程も教えている内容は似ており、上級課程は基礎課程の応用版といった感じです。
自分の理解が乏しいファイナンスや組織論についてはじめから英語を使って授業を受けるよりも日本語で学び知識の土台を作れることは良いと思いました。
グローバルなネットワーキングの機会
グローバルなネットワークの機会というのは正直少ないように感じました。現地のMBAコースと異なり、基本的にはオンラインで進めていく事になります。基礎課程で一緒の日本人の方(同じアビタス経由)とは今でも仲良くしていますし多彩で優秀な方々ですが、グローバルなネットワークを作れるかと言うとなかなか難しいかと思います。
私の場合、普段から海外の人と仕事をしているためグローバルなネットワークを絶対欲しいわけではなく、MBAの知識をなるべく早く体系的に学びかつ英語での授業というのが優先順位の中で高かったため、この点はなくても仕方ないと思いました。
入学要件とプロセス、費用について

応募に必要な書類と条件
大学を卒業していればUmassのMBAは受講できるでしょう。英語レベルも書類上はそこまで問われません。門は広く開かれていると思います。もちろんアメリカの大学なので課題はたくさんでますし、MBAなので授業の難易度も高いです。ドロップ(授業を辞退すること)している人もたまに見かけました。
ちなみに、TOEIC700点くらいが上級課程に行くために必要なのですが、それくらいしかないと英語の読解やグループディスカッションで苦労はすると思います。
英語が得意な方であっても膨大な宿題を前に誰でも苦労するので、そういった意味ではもはや英語は問題ではないように感じますが。
授業料とその他の費用
だいた300万円くらいだったと記憶しています。授業ごとに必要な教材があるため、数千円くらいの教科書を毎回購入していました。最近の円安を見ていると価格は上がり続けていると思いますが。
アメリカの現地の大学のMBAを取るとなると生活費も含めて1,000万円以上になるため、この金額でオンラインとはいえども米国大学院のMBAを取得できたことは比較的お得かと思います。
奨学金やローンのオプション
教育ローンがあります。利息はかかってしまいますが、少ない金額であれば活用しても良いかと思います。私は200万円はキャッシュ、100万円はローンという組み合わせで使用しました。
ROI(投資収益率)と卒業後の収入期待
私は卒業して間もないため特に変化はありません。そして残念ながら、MBAを取得したからといってすぐに現在勤めている会社にて昇進があるかというとそういうわけではありません。
少なくとももろもろ含めて350万円〜400万円くらいはかかっているため、そのリターンを見込めるようなアクションを起こさないといけないと思っています。。
卒業したらコンサルや投資銀行などに転職したいという方がいるのであれば現地で学ぶことをおすすめします。アメリカやシンガポール・スペインにフランス、優秀な大学がMBAプログラムを提供しているため、それらの方が転職活動という意味では有利でしょう。もちろんMBA取得までにかかる費用も数倍になってくるため、より大きなROIを目指さなければいけなくなりませんが。
Umass MBAの学習体験について

次に、実際の授業について振り返ってみます。
授業はハード?
はい、なかなかハードです。というかかなりハードです。
だいたい一つの科目が8週間、最大2コマ同期間で取得でき、それを続けていくのですが、二コマずつ取得すると普段の生活の何かを犠牲にしないといけません。
寝る時間、日中の時間、平日夜、または休日など。自分の専門科目であれば新しく学ぶことは特に無いのですが(マーケティングやファイナンスなど)、宿題をこなさなければいけず、英語のレポート何十枚とか作らないといけないので時間は必要になってきます。
具体的には平日は2時間〜3時間くらい、休日は5時間くらいの勉強量で土日のどちらかはオフというスケジュールでした。
家族で旅行に行こうが夜は課題をやっていましたし、出張先のホテルでグループワークに参加したりしていました。
MBAで学んだことは役に立つ?
はい、総じて役に立つと思います。ただこれは働いている人のポジションや役割によると思います。
経営側で働いている方や管理職の方であれば活用できる事が多いですし、プレイヤーの方でも経営層や管理職の考えている事がわかるため、話す内容に深みを増すことができるでしょう。
MBAの科目はマーケティング・戦略・ファイナンス・組織など多岐にわたります。実業務に活かせるかという質問については一部は活かせるが一部は活かせないという回答になります。
オンラインクラスの形式とインタラクティブな要素について
オンラインクラスにおける授業はどのようなものでしょうか。授業によって異なるのですが、一般的なスタイル(授業を聞いて宿題を自分で解く)は実地での学習と同じです。
実地でのMBAを受講したことが無いため比較がしにくいのですが、グループワークも思ったよりあります。ただ、TEAMSやSlackなどチャットをメインとしたコミュニケーションが主流となっており、実際に会って議論を行うという機会はほぼありませんでした。
もちろんオンラインMTGなど時間を合わせて打ち合わせをする機会はありましたが、全体の授業数に対する割合でいうろ30%くらいかと思います。
まあ、ファイナンス系の科目は自分で進めていかなくてはいかず、テストによって点数が決まりますし、グループワークは無いです。一方で戦略系とマーケティング系の授業、あとその他専門科目にてグループワークが発生してきます。
授業自体は王道なMBAの科目を一通り学ぶことができるため、非常に役に立つと思います。一方ディスカッションなどは実地でのMBAと比較すると少なくなりますが、チャットやオンラインMTGなどより現代で不可欠なコミュニケーションを行うことになるためそれはそれで良い体験かと思います。
教員やサポートスタッフとのコミュニケーション
教員はみなさん優しい方ですし、こちらがメールや質問をするとしっかりと回答してくれます。実地と異なり、特に何もしなければ教授とのコミュニケーションてほぼ無いのですが、メールで質問をしたり、連絡をとっていくと名前を覚えられ卒業式であー!この人か!となります。
キャリア支援と卒業生ネットワーク

キャリアサポートの内容(コーチング、ジョブフェアなど)
MBAを目指すからにはある程度キャリアアップを考えている方が多いんじゃないかと思います。
キャリアサポートについては実地の名だたる大学と比較すると少ないと思いました。これはオンラインMBAでの感想で、実地で受講している人は学校のキャリアサポートを十分に受けることができるかと思います(というのも、メールにはキャリアサポートに関するイベントや連絡は来ていました)。
私は日本から受講しており、アメリカの学生ビザを持っていません。また、MBAが終わったあとにアメリカで就職しようとは思っていなかったためキャリアサポート関連は特に参加しませんでした。
おそらくですが、日本であるMBAのほとんどはキャリアサポートはそこまで手厚くないかと思います。というのも日本の会社がMBAを取得したからといって待遇が変わるわけではないためだと思います。
卒業生の成功事例やネットワーキングの機会
アビタスでは同期会の他に年に数回期に関わらず全体同窓会を行っています。基本的には日本人の方ですが、いろいろなネットワークを作ることができるでしょう。実際にお会いした人たちは他業界で刺激になる方ばかりです。
日本においてはMBAの資格はさほど重要視されていないため、日本企業に努めていながらMBAを取得してもすぐに昇進というわけにはいかないでしょう。
ただ、転職時の時にはメリットになるでしょうし、何より経営に関する知識がつくため、自信になります。
卒業式について
基本的オンラインの授業で現地で学ぶチャンスが無かったため、5月にボストンで行われた卒業式に行ってきました。

卒業式ではアビタスの方はもちろん、現地で学んでいる生徒や同じUmass LowellのオンラインMBA生も参加しており、大きなホールで卒業生の親や街の人も参加しておりとても大きなイベントでした。
これは行くことをおすすめします。
まとめ
UMassオンラインMBAプログラムの総合評価
アメリカのオンラインMBAで上位10位以内に入っているためプログラム内容としては申し分ないと思います。
膨大な宿題が課されるため、しっかりとやれば知識も英語も成長することができるでしょう。
どのような人にこのプログラムが適しているか
こういう方であれば向いているかと思います。
- 現地ではなくオンラインでよいのでMBAを受講したい
- GMATなど英語のテストをスキップして今学びたい
- ネットワーク作りはそこまで重要ではない
- 授業料(&生活費)に1,000万円もかけていられない
- フレキシブルな科目受講がよい
- 自分のペースで進めたい
最終的な考察とおすすめポイント
アビタスのMBAは1年目は英語の授業で、日本人講師が日本語の授業を行います。いきなり英語で新しい事を学ぶよりも知識が身につきます。
また、英語のテストも受ける必要が無いのすぐに始めたい方にとってはよいポイントでしょう。