台湾でのYouTuberを使った広告展開を、ご検討中でしょうか。
台湾では、組織よりも個人に信頼が寄せられる文化背景から、YouTuberは広告媒体として注目されています。
しかし、闇雲にYouTuberに広告を依頼しても成功するという訳ではありません。
YouTuberが持つ、イメージとマッチしない広告を依頼すれば、効果が全く出ずに費用だけかかるというリスクもあるのです。
そこで本記事では、台湾におけるYouTuberを使った広告事情をはじめ、台湾で人気のYouTuber、YouTuber広告で成功した実例にあわせて広告展開する上でのポイントを紹介します。
本記事を読めば、台湾におけるYouTuberを使った広告事情を把握することが可能です。
正しく理解すれば、文化にマッチしない不要な広告展開で費用を無駄にすることもなくなります。
台湾の広告事情を把握して、効果の高い広告を検討しましょう。
目次
まずは台湾のYouTuber事情を解説!
最初は、台湾のYouTuber事情の解説になります。
人気のあるYouTuberは、国の文化によって異なるものです。
それでは、見ていきましょう。
登録者数100万人超えのYouTuberが続出している
台湾では、登録者数100万人越えのYouTuberが続出しています。
2017~2018年にかけて、100万のサブスクリプションを超えた台湾のクリエーターチャンネルは、9個から19個と倍以上の成長です。
現在も100万サブスクリプションを超えるチャンネルは増加しており、2019年の調べでは21人になっています。(出典:BUZZCAST)
他業界の有名人同士のコラボがトレンド
台湾のYouTube業界では、他業界有名人同士のコラボがトレンドです。
TGOPと台湾の人気歌手G.E.Mや、JoemanというYouTuberと台北の市長がコラボしていたりと、異なる業種のコラボ活動が活発になっています。
コラボ内容についても、コンサートや新しいアルバム、音楽の共同制作など多様です。
YouTuberが大きな人気を得ているからこそ、乱立するチャンネルの中で、単一の独創性ではなく異なる分野が交わって産まれるクリエイティブ性が求められています。
台湾のYouTube界では、異業種コラボによって産まれる新しい発想がトレンドです。
チャンネルのジャンルは偏りなく多様
台湾のYouTubeで受け入れられている人気のチャンネルのジャンルは多様です。
科学・旅行日記・美容、ゲームなど、偏りなく様々なジャンルが受け入れられています。
チャレンジ系とゲームが2割ずつ占めていますが、その他のジャンルはまばらです。(出典:BUZZCAST)
また、メインチャンネルと違う方向性の動画も、サブチャンネルで公開しファンを獲得するなど戦略的に様々なジャンルに取り組む傾向があります。
台湾のYouTubeは、今後も一層ジャンルの拡大が予想できる状況です。
台湾で活躍する台湾人YouTuber5選!
台湾では、登録者数100万人越えのYouTuberが増え続け、人気も高くなっています。
台湾における広告展開を成功させるためには、人気のYouTuberを知ることが必要です。
現地の人気YouTuberを知れば、台湾で何の需要が高いのか理解することができます。
ニーズの高い分野で、広告展開を検討しなければ広告の結果が不完全燃焼に終わるリスクもあるのです。
今回紹介する台湾人のYouTuberは以下の5人です。
- 這群人TGOP
- 白癡公主
- 可可酒精
- MaoMaoTV
- 備用頻道【谷阿莫】
台湾におけるYouTuberのトレンドを把握して、広告展開の戦略検討に役立てましょう。
這群人TGOP
台湾で人気のYouTuber、這群人TGOPを紹介します。
這群人TGOPは、台湾でトップレベルの人気を誇るYouTuberグループです。
それでは、詳細を見ていきましょう。
チャンネルの基本情報
まずは、チャンネルの基本情報を紹介します。
這群人TGOPのチャンネル情報を以下で表にしました。
チャンネル登録数(2020年12月10日時点) | 335万人 |
ジャンル | ショートドラマ |
活動開始時期 | 2008年~ |
チャンネルの概要 | 笑いのあるショートドラマを展開。 |
這群人TGOPは、チャンネル登録者数は307万人と、台湾YouTuberの中で一番人気があるグループです。
2008年から活動をはじめており、活動期間は10年以上と経験豊富なチャンネルになります。
グループのキャラを活かしたショートドラマで、台湾において人気のあるYouTuberです。
チャンネルの特徴
這群人TGOPは、笑いのあるショートドラマを展開しているYouTuberグループです。
ネットワークコメディグループというジャンルを確立して、台湾で大きな人気を得ています。
日本で人気のコントバラエティ番組をYouTubeで行っているイメージです。
TV放送のような形で、番組展開しているチャンネルなので、一見ミスマッチかと思われるような投資会社のCMを流したりと広告案件は多岐に渡ります。
人気があるので、広範囲に認知させるための広告展開に適したチャンネルです。
白癡公主
つづいては、白癡公主を紹介します。
白癡公主は、美しいルックスと親しみやすいキャラを活かした配信で人気のYouTuberです。
以下で詳細を、見ていきましょう。
チャンネルの基本情報
チャンネルの基本情報を確認しましょう。
白癡公主のチャンネル情報を、以下で表にまとめました。
チャンネル登録数(2020年12月10日時点) | 150万人 |
ジャンル | マルチタレント |
活動開始時期 | 2010年~ |
チャンネルの概要 | モデルでお笑い芸人のようなキャラクターが人気のYouTuber。少々過激な内容の動画や写真を投稿。 |
白癡公主は、150万人のチャンネル登録者数を抱えるインフルエンサーです。
お笑いやバラエティー的な活動が特徴で、愛嬌のあるキャラクターで人気を集めています。
チャンネルの特徴
白癡公主のチャンネルは、お笑い芸人のようなキャラクターをウリにした動画配信が特徴です。
ルックスと、面白いキャラクターのギャップが国民から人気をうけています。
番組内容は、変わった料理や街頭インタビュー、チャレンジ系など幅広いジャンルです。
Instagramも人気で、若い女性からの人気もあるため、美容系の広告に適したインフルエンサーになります。
可可酒精
可可酒精は、姉妹二人組で活動しているYouTuberです。
以下で詳細を解説します。
チャンネルの基本情報
チャンネルの基本情報を確認します。
可可酒精のチャンネル情報を、以下で表にしました。
チャンネル登録数(2020年12月10日時点) | 48万人 |
ジャンル | 商品紹介・VLOG |
活動開始時期 | 2014年~ |
チャンネルの概要 | 姉妹でチャンネル運営しているYouTuber。ゲーム実況や、生活用品の紹介など庶民の目線にたったYouTuber。 |
可可酒精は、48万人のチャンネル登録者をかかえるインフルエンサーです。
商品紹介やVLOGを配信するYouTuberで、大衆的な目線に立った配信が人気を集めています。
チャンネルの特徴
可可酒精は、姉妹でおこなう商品紹介やVLOGを投稿するYouTuberです。
ビジネスによりすぎない個人目線の発信が特徴で、台湾ユーザーから信頼を得やすいチャンネルであると言えます。
商品紹介は、生活感が溢れる洗剤や食玩の開封など大衆の目線にたった商品が多いです。
可可酒精は、高級品よりも大衆的な商品の広告展開に適したインフルエンサーとなっています。
MaoMaoTV
MaoMaoTVは、日本在住台湾人というキャラクターで人気を集めているYouTuberです。
MaoMaoTVの詳細情報を見ていきましょう。
チャンネルの基本情報
チャンネルの基本情報を確認します。
MaoMaoTVのチャンネル情報を以下で表にしました。
チャンネル登録数(2020年12月10日時点) | 84万人 |
ジャンル | 旅行・VLOG |
活動開始時期 | 2014年~ |
チャンネルの概要 | 日本在住の台湾人YouTuber。日本文化を題材にした旅行コンテンツがウリ。 |
MaoMaoTVは、日本在住台湾人という特徴のVLOG配信チャンネルです。
チャンネル登録者数も80万人と多く、台湾における日本人気を感じさせます。
チャンネルの特徴
MaoMaoTVの特徴は、訪日観光に特化したVLOG記事になります。
親日感情が強く、日本ブランドが評価されている台湾において日本の旅行コンテンツは人気です。
訪日観光や、日本独自の商品紹介などにマッチしやすいチャンネルと言えます。
MaoMaoTVは、訪日観光のプロモーションに適したインフルエンサーです。
備用頻道【谷阿莫】
備用頻道【谷阿莫】は、映画レビューをおこなっている個人YouTuberです。
詳細な情報を、以下で紹介しますので確認しましょう。
チャンネルの基本情報
まずは、チャンネルの基本情報です。
以下で表にまとめました。
チャンネル登録数(2020年12月10日時点) | 5.6万人 |
ジャンル | 動画レビュー |
活動開始時期 | 2015年~ |
チャンネルの概要 | 映画のレビューを5分で完結に行うチャンネル。物語の背景や意図については語らず、あくまで個人的な感想を述べるという特徴。 |
備用頻道【谷阿莫】は、チャンネル登録者数5.6万人のマイクロインフルエンサーです。
5分という時間限定で、動画レビューを行うコンセプトが受けて台湾内で人気を集めています。
チャンネルの特徴
備用頻道【谷阿莫】のチャンネルは、5分という時間を絞った映画紹介が特徴のチャンネルです。
物語の背景や監督の意図など語るものではなく、あくまで個人の主観で感想を語る内容が人気を集めています。
日本映画を台湾展開する際のプロモーションに起用すれば、広告効果が期待できるでしょう。
備用頻道【谷阿莫】は、映画レビューに特化したインフルエンサーです。
台湾で活躍する日本人YouTuber【大物】
台湾でYouTuberが活躍していることはご理解いただけたでしょうか。
実は、台湾で活躍する日本人YouTuberがいることをご存知でしたか?
実際に、台湾で活躍する日本人YouTuberの情報を見ていきましょう。
三原慧悟
三原慧悟は、台湾で人気の日本人YouTuberになります。
チャンネル登録者数は120万人と多く、台湾の公共機関に乗れば混乱がおきるほどの人気です。
三原慧悟は親日イメージがある台湾で、以下の3つのニーズを活かして動画を展開し人気を得ました。
- 日本人YouTuberがいない
- 台湾は親日感情がある
- 日本語教育の需要がある
三原慧悟は台湾において需要のある、日本文化の発信を軸に戦略的な動画展開をしたのです。
結果として戦略は当たり、日本人YouTuberとして台湾で地位を確立しました。
日本語教育の需要と関連して、日本文化も需要があることが予測されます。
台湾において日本文化に関連した広告を展開する際には、三原慧悟の起用が効果的です。
台湾でYouTuberを起用したYouTube広告が有効な理由
台湾においても、活躍するYouTuberがいることは理解いただけたと思います。
では、実際にYouTuberを起用した広告は効果的なのでしょうか。
結論から言うと、台湾においてYouTuberを起用した広告は効果的と言えます。
YouTuberを起用した広告が有効な理由は、以下の3つです。
- YouTubeの視聴時間・ユーザー共に増加傾向
- 台湾ではYouTuberを含めた個人への信頼度が高い
- 動画広告の市場規模が拡大中
1つずつ、見ていきましょう。
理由①.YouTubeの視聴時間・ユーザー共に増加傾向
台湾におけるYouTubeの視聴時間とユーザー数は共に増加傾向です。
週当たりの平均視聴時間は14.6時間といわれており。1日平均2時間程度は視聴している計算になります。(出典:ECのミカタ)
また、2015年の調べで月間ユーザー数は、前年比80%増となる930万人に及んでいます。(出典:ExchageWire)
このように、YouTubeは台湾において勢いのある媒体です。
理由②.台湾ではYouTuberを含めた個人への信頼度が高い
台湾では情報源としてBLOGが強く、個人への信頼度が高いという文化背景があります。
JNTOから発表された「平成27年における訪日外国人の消費動向」では、台湾人観光客が日本に来る際に参考している媒体の1位はブログです。
調査の結果で、訪日観光の際にブログを参考にしたとする人は回答者の37.7%と高い割合になっています。
企業よりも個人からの発信が信頼できるという、台湾独自の文化背景が要因です。
同様の理由で、YouTubeにおける発信でも、個人による発信であるインフルエンサーの影響力が強くなっています。
台湾の情報発信においては、YouTuberを含めた個人の信頼度が高いのです。
理由③.動画広告の市場規模が拡大中
台湾における動画広告の市場規模は、2011年以降拡大中です。
2012年に一気に4.9%の割合まで上昇後、2015年には15.85%と3倍以上の規模拡大になります。
2012年にYouTubeの動画広告が一般ユーザーへ公開されて以降、Webサイトの広告シェアを奪うかのように規模を拡大し続けているのです。
台湾のマーケティングをする上で、動画広告はいまや無視できない規模の重要な存在と言えます。
台湾でYouTuberを起用したYouTube広告を展開するときのポイント
動画広告市場で効果的な広告を展開するには、ポイントがあります。
ポイントは、以下の2つです。
- 商品のイメージにあっているかを確認する
- フォロワー数以外の指標も確認する【フォロワー数≠影響力】
ポイントを理解すれば、効果的な広告展開の成功率をあげられます。
ここからは、台湾でYouTuberを起用した広告を展開するときのポイントを紹介します。
ポイント1.商品のイメージにあっているかを確認する
動画広告を依頼するうえで、YouTuberと商品イメージがあっているかは、大切なポイントです。
ファン層とまったく検討違いな広告を依頼すれば、ユーザーは広告に対して不信感を抱きかねません。
例えば、訪日観光をウリにしているMaoMaoTVに対して、投資信託会社の広告を依頼しても違和感があります。
対して、日本のグルメや、日本特有の商品紹介の依頼であれば効果的です。
YouTuberを起用した広告を効果的に展開するには、商品イメージとのマッチングが必要になります。
ポイント2.フォロワー数以外の指標も確認する【フォロワー数≠影響力】
依頼する際は、フォロワー数以外の指標も確認しましょう。
フォロワー数が多いから影響力が高いという訳ではなく、広告として起用するのであれば影響力の把握が必要になります。
なぜなら、ある程度の人気がでているチャンネルは、周りも見ているから見ておこうという層も多くなるからです。
例えば人気の高い這群人TGOPは、商品の認知には適していますが、ファンのコンバージョン率が高いとは限りません。
逆に、フォロワーの数が少なくてもユーザーとの距離感が近く信頼度が高い人であれば、コンバージョン率は高くなりやすいと言えます。
広告依頼の際は、フォロワー数以外にユーザーとの距離感やファンの強さといった指標も確認しましょう。
【事例】台湾でYouTuberを起用したYoutuber広告
YouTuberを起用した広告の展開では、依頼先と商品イメージのマッチングが大切です。
マッチングを加味した上で、台湾ではどのようなYouTuberを起用した広告が展開されているのでしょうか。
実際に、有名企業が展開するYouTuber広告の実例を紹介します。
展開された広告を見て、台湾で評価される広告展開のイメージを掴みましょう。
ファミリーマート
ファミリーマートは、台湾進出に成功した日本企業です。
台湾で大きく認知されているファミリーマートは、YouTuberを起用して広告展開を行っています。
ファミリーマートの広告展開では、「Famiwebchannel」というチャンネルを展開し、インフルエンサーに試食してもらい商品の認知度をあげました。
中には、再生回数400万を超える動画もあり、YouTubeチャンネルとしても優秀です。
この結果、2016年には店舗数が3,000店舗を突破し、すでに台湾ではごく身近なコンビニとして認知されています。(引用:流通ニュース)
ファミリーマートのYouTuberを起用した自社チャンネルの展開は、台湾における日本企業の成功事例です。
最後に
台湾において、YouTuberを起用したYouTube広告は効果的です。
台湾では、企業広告よりも個人に対する信頼が高いとする思想が普及しています。
情報収集は企業ページよりもSNSやBLOG、YouTuberなど、個人の発信を軸にしたものが主流です。
なので、台湾にも多く存在するYouTuberを起用した広告展開が効果的になります。
では。