台湾でのデジタルマーケティング展開をご検討中でしょうか。
台湾では、インターネットの普及が急速に進んでおり、デジタルマーケティングは有効です。
しかし、台湾の現地事情に合った広告を展開しなければ、費用に見合った効果は期待できません。
そこで本記事では、台湾のインターネット事情をふまえて、広告展開に有用な媒体と成功させるポイントを解説。
本記事を読めば、広告展開するにはどの媒体が有効か、どのように広告展開すれば良いのかがわかります。
台湾のインターネット広告・デジタルマーケティング事情を理解し、台湾進出を成功させましょう。
目次
まず確認!台湾のインターネット事情
まずは、台湾のインターネット事情を確認しましょう。
台湾での広告展開を考える際には、現地事情を把握することが大切です。
台湾のインターネット事情を詳しく押さえることで、根拠を持って広告展開することができます。
以下で、詳しく見ていきましょう。
台湾人の88%がインターネットを利用
台湾では、総人口の88%がインターネットを使用しています。(出典:We Are Social)
さらに、1日の平均インターネット利用時間は、日本の4時間12分に対して、台湾では倍近くの7時間49分です。(日本:We Are Social、台湾:We Are Social)
使用率と1日の利用時間の長さから、台湾では国内の全体的にインターネットの普及が進んでいることがわかります。
日本以上のスマートフォン普及率
台湾では、日本以上にスマートフォンが普及しています。
スマートフォンユーザーは、日本と台湾共に総人口の79%です。(日本:We Are Social、台湾:We Are Social)
ところが、スマートフォンでインターネットを使用しているユーザーは、日本では総人口の71%であるのに対して、台湾では総人口の83%となっています。(日本:We Are Social、台湾:We Are Social)
以上のことから、台湾では日本以上にスマートフォンを通してインターネットから情報収集を行っていることが推測可能です。
台湾のデジタルマーケティング事情はどうなってる?
台湾でインターネットが普及していることは確認できましたが、インターネット広告(デジタルマーケティング)事情はどうなっているのでしょうか。
ここでは、台湾のデジタルマーケティング事情について、以下の内容をご紹介します。
・インターネット広告費は伸び続けている
・効果抜群!?台湾人ブロガーの影響力
台湾のインターネット広告・デジタルマーケティング事情を把握することで広告のトレンドがわかり、効果的な広告展開が可能です。
詳しく見ていきましょう。
インターネット広告費は伸び続けている
台湾では、2011年以降インターネット広告費は伸び続けています。
2011年に1億200万台湾ドルだったインターネット広告費は、2018年には約4倍の3億8,960万台湾ドルまで増加中です。(出典:DMA)
2016年以降、成長率が減少していますが、デジタルマーケティング市場は拡大し続けています。
台湾のデジタルマーケティング市場は今後も拡大が期待され、効果的な広告を打つことが可能です。
効果抜群!?台湾人ブロガーの影響力
台湾における台湾人ブロガーの影響力は絶大で、台湾人ブロガーを起用したプロモーションの効果は抜群です。
台湾人が訪日の際に参考にしている媒体として、ブログが37.7%で1位になっています。(出典:日本政府観光局)
また、「SNSやブログで流れる情報は信頼できる」と回答している訪日台湾観光客は93%です。(出典:LIFE PEPPER)
このように台湾人のブログへの信頼度は高く、実際に台湾人ブロガーを起用してプロモーションを成功させている事例は様々あります。
例えば、ある化粧品企業のケースでは、台湾人ブロガーに商品レビューの記事を書いてもらい、さらにFacebook広告を実施した結果、目標CPAの70%まで費用を抑えることができました。(出典:LIFE PEPPER)
ブログへの信頼が厚いため、台湾人ブロガーを起用したプロモーションの効果は抜群です。
台湾でデジタルマーケティングを展開するときの主要媒体
ここまで、台湾ではインターネットが普及しており、インターネット広告・デジタルマーケティングは有効であることを確認してきました。
ここからは、台湾でインターネット広告・デジタルマーケティングを展開するときの主要媒体5つをご紹介します。
・YouTube
・Google 広告
・検索エンジン
台湾でインターネット広告・デジタルマーケティングを展開するときの主要媒体を把握すれば、利用すべき媒体がわかり、効果的な広告展開が可能です。
以下で、順に詳しく見ていきましょう。
Facebookは、台湾においてもっともメジャーなソーシャルメディアです。
台湾におけるFacebookの状況について、以下で詳しく見ていきます。
基本情報
Facebookは、台湾でもっとも頻繁に利用されるソーシャルメディアです。
台湾では、Facebookの利用率が77%で、ソーシャルメディアの中でもっとも利用されています。(出典:We Are Social)
また、利用頻度の高さも57%と、Facebookが1番です。(出典:AUN CONSULTING)
利用率と利用頻度の高さから、Facebookは台湾でもっともメジャーなソーシャルメディアと言えます。
広告媒体としての特徴
Facebookは、広告媒体としてオススメです。
基本情報でも述べた通り、Facebookの利用率と利用頻度が高いため、多くの潜在層ユーザーの認知に役立ちます。
また、Facebook広告は、年齢・性別・居住地・趣味などのユーザーデータを用いた細かいターゲティングが可能です。
自社の顧客・接点のあるユーザー・顧客と類似したユーザーにターゲティングすることもできます。
さらに、広告に費やす金額の上限予算を広告主が設定できるため、低予算からでも広告の出稿が可能です。
台湾での利用率・利用頻度がもっとも高く、ターゲティングの精度も高いため、Facebook広告の活用は必須と言えます。
台湾において、若年層に向けたプロモーションに有効な媒体がInstagramです。
以下で、詳しく見ていきましょう。
基本情報
台湾のInstagramは、若いユーザーを中心に利用されています。
2021年1月時点のInstagramユーザーは、総人口の33.8%の806万2千人です。(出典:NapoleonCat.)
全体のInstagramユーザーのうち、25~34歳までが33.5%、18~24歳までが28.5%で、6割以上を若いユーザーが占めています。(出典:NapoleonCat.)
ブランドやインフルエンサーをフォローし、トレンドや新商品などの情報を収集するのが使用目的の1つです。
広告媒体としての特徴
Instagramは、若年層に向けたプロモーションに有効な媒体です。
基本情報でも述べた通り、Instagramはユーザーの6割以上を若いユーザーが占めています。
また、InstagramはFacebookの傘下にあるため、Facebookユーザーデータを用いた精度の高いターゲティングも可能です。
さらに、広告予算の上限も広告主が設定できるため、低予算から広告出稿ができます。
Instagramは、若いユーザーの利用率が高く、ターゲティングの精度も高いため、若年層へ向けたプロモーションに最適な広告媒体です。
YouTube
台湾において、ユーザー数・視聴時間共に増加しているのがYouTubeです。
以下で、詳しく見ていきましょう。
基本情報
台湾では、YouTubeのユーザー数・視聴時間共に増加しています。
YouTube利用率は75%で、Facebookに迫る勢いです。(出典:We Are Social)
視聴時間は、2017年1~3月期において前年比80%増に達しており、1回訪問あたりの平均視聴時間は25分に及んでいます。(出典:TAIPEI TIMES)
日本人がテレビを見るような感覚でYouTubeを利用しており、台湾人の生活に溶け込んだ娯楽ツールとなっているのです。今の日本の感覚とほとんど変わらないことがわかると思います。
広告媒体としての特徴
日本でもそうですが、YouTubeは、多くの潜在層ユーザーに向けたプロモーションに有効な広告媒体です。
基本情報でも述べた通り、台湾でのユーザー数・視聴時間が増加しており、多くのユーザーの目に触れる機会が多くなっています。
YouTube広告は、Google 広告の管理画面から出稿できるため、ユーザーの年齢・性別・子供の有無などの細かいターゲティングも可能です。
インストリーム広告は視聴後5秒でスキップできてしまうため、短い時間でユーザーの興味を引けるようなインパクトのある動画広告の作成がポイントになります。
YouTube広告は、多くの潜在層ユーザーへ認知を広めたい場合に有効な広告媒体と言えます。
Google 広告
Google 広告はGoogleが提供しているサービスで、Googleと提携しているWebサイトへ広告を掲載することができます。
以下で、詳しく見ていきましょう。
基本情報
台湾において、もっとも使用されている検索エンジンはGoogleであり、Google 広告はインターネットユーザーの目に留まる機会の多い広告です。
2019年3月時点の台湾における検索エンジンシェアは、GoogleがPCでは87.16%、モバイルでは91.31%で1位となっています。(出典:AUN CONSULTING)
台湾におけるGoogleのシェアは約9割を占め、ほとんどのインターネットユーザーが検索の度に目にするのがGoogle 広告です。
広告媒体としての特徴
Google 広告は、潜在層へ向けた幅広いアプローチができる広告媒体です。
基本情報でも述べた通り、約9割のユーザーがGoogleを使用しており、幅広いユーザーに向けて広告を配信できます。
Googleの審査を通過した優良なWebサイトや、GmailやGoogle マップといったツール上での広告掲載が可能です。
また、ユーザーの年齢・性別・使用言語・地域など、細かいターゲティングもできます。
広告予算の上限額を設定できるため、低予算からでも出稿可能です。
Google 広告は、ユーザーが普段から目にする機会が多いため、効果的な広告展開が期待できます。
検索エンジン
GoogleやYahoo!といった検索エンジンでも、集客が可能です。
以下で、詳しく見ていきましょう。
基本情報
検索エンジンで広告を展開する方法は、SEOとリスティング広告の2つがあります。
SEOは、インターネット検索で自社サイトを上位表示させる取り組みです。
検索順位をあげるためには、ユーザーの役に立つWebサイトを作り、検索エンジンの評価を上げることがポイントになります。
リスティング広告は、広告費を払って、自然検索結果の上部や下部の広告枠に表示できる広告です。
設定したキーワードで表示されるため、自社サービスに合ったキーワードの選定がポイントになります。
広告媒体としての特徴
検索エンジンで広告を展開する場合、顕在層ユーザーへのプロモーションが可能になります。
知りたい情報をキーワードで検索した顕在層ユーザーへ、広告の表示ができるためです。
例えば、表参道でパンケーキを食べたいユーザーへ、「パンケーキ 表参道」のキーワードで広告を表示させ、集客につなげることができます。
SEOは、効果が出るまで時間を要する場合がありますが、費用は低く、リスティング広告よりもクリック率は高くなります。
リスティング広告は、費用がかかりますが、広告掲載までに時間はかかりません。
ただし、台湾向けのリスティング広告は、キーワード毎の単価が日本向けに比べて非常に安いです。
例えば、キーワード「旅行」に対しての広告出稿推奨単価は、日本では72円ですが、台湾向けでは36円で半分となっています。(出典:LIFE PEPPER)
検索エンジンは、費用を低く抑えることが可能で、台湾の顕在層ユーザーへ向けたプロモーションに適した広告媒体です。
台湾でインターネット広告を展開する際の3つのポイント
ここまで、台湾のインターネット広告事情と、広告展開をするときの主要媒体を見てきました。
ここでは、台湾でインターネット広告を展開する際の3つのポイントをご紹介します。
・ポイント1:クリエイティブをローカライズする【台湾用繁体字表記は必須】
・ポイント2:個人の信頼性が高い台湾ではインフルエンサーの起用も有効
・ポイント3:スマートフォンユーザーに配慮したクリエイティブにする
台湾でインターネット広告を展開する際のポイントを押さえれば、現地のユーザーに対して訴求力のある広告展開が可能になります。
以下で、順に詳しく見ていきましょう。
ポイント1:クリエイティブをローカライズする【台湾用繁体字表記は必須】
台湾でインターネット広告・デジタルマーケティングを展開する際の1つ目のポイントは、クリエイティブをローカライズすることです。
台湾の公用語は、中国語の中でも「北京語」で、文字は「繁体字」が使われています。
そのため、クリエイティブ制作の際には、「台湾用繁体字」表記が必須です。
「香港用繁体字」や「中国大陸で使われる簡体字」で表記すると、クリック率が格段に低くなってしまいますので注意しましょう。
ポイント2:個人の信頼性が高い台湾ではインフルエンサーの起用も有効
個人の信頼性が高い台湾では、インフルエンサーの起用も有効です。
台湾人は、商品やサービスの提供者ではなく、実際に試した生の声を重要視します。
情報収集する際は、まずソーシャルメディアやブログの口コミで判断するのです。
そのため、インフルエンサーが発する情報は、絶大な影響力を持ちます。
個人の信頼性が高い台湾では、影響力が絶大なインフルエンサーの起用が、プロモーションには有効です。
ポイント3:スマートフォンユーザーに配慮したクリエイティブにする
台湾でインターネット広告・デジタルマーケティングを展開する際には、スマートフォンユーザーに配慮したクリエイティブにすることも大切です。
通常の画像広告よりも動画広告の方が、スマートフォンユーザーの興味を引きやすくなります。
Facebook動画広告はスクロールされるとタイムラインで自動再生され、クリックやタップといったアクションを介さず、ユーザーに自然な流れで広告を見てもらうことが可能です。
クリエイティブ制作の際には、スマートフォンでも見やすいように細かい文字は使わない、マナーモード中の無音状態でも広告内容が伝わるようにテロップを入れるといった工夫をしましょう。
スマートフォンの普及率が高い台湾では、スマートフォンユーザーに配慮したクリエイティブが有効です。
【事例】台湾でのネット広告【動画広告を駆使】
台湾用繁体字表記とインフルエンサーの起用、スマートフォンユーザーに配慮したクリエイティブ制作が、台湾でのインターネット広告・デジタルマーケティング展開のポイントとなることをご紹介しました。
ここでは、台湾でFacebookの動画広告を駆使した「Kleenex®」の事例をご紹介します。
事例を知り、台湾で評価される広告のイメージを掴みましょう。
以下で、詳しく見ていきます。
Facebook広告|Kleenex Taiwan
「Kleenex®」は、台湾で「Kimberly-Clark Professional」から発売されているティッシュペーパーのブランドです。
Kleenex®は、ユーザーがスマートフォンを振り動かすことで、商品イメージを感じさせる万華鏡のようなグラフィックアニメーションが動くFacebook動画広告を配信しました。
また、良質な商品を購買する意欲がある、台湾在住の25~44歳のグループにターゲティングしたのです。
その結果、プレミアムブランド認知が37%上昇、ブランド認知が50%上昇、Facebookからの売上が3.7%アップしました。(出典:Facebook for Business)
以上のように、Kleenex®は動画広告を駆使してプロモーションを成功させています。
さいごに
いかがだったでしょうか。
台湾のインターネット広告について、詳しく見てきました。
台湾ではスマホの保有率が高く、普段の情報収集のほとんどをインターネットから行なっていることが推測できるため、台湾におけるインターネット広告展開は有効です。
中でも、Facebookは利用率が非常に高く、台湾でインターネット広告を展開する場合に、Facebookの活用は必須と言えます。
とはいえ、言葉のわからない台湾の情報収集は苦戦することも。
もし、台湾でのインターネット広告展開が不安な場合は、お気軽にご連絡くださいませ。
では。