台湾で、ソーシャルメディアを利用した広告展開がしたいとお考えでしょうか?
台湾では、日本以上にソーシャルメディアが浸透しており、ソーシャルメディアを利用した広告展開は有効です。
しかし、台湾と日本ではソーシャルメディアの状況が異なり、現地での事情を理解しないままでは効果的な広告展開はできません。
そこで本記事では、台湾における各ソーシャルメディアの状況や広告手法について詳しく解説していきます。。
本記事を参考にすれば、どのソーシャルメディアが広告媒体として有効か、どのように広告展開していけば良いのかがわかります。
台湾のソーシャルメディア事情を理解し、効果的なSNSプロモーションを行っていきましょう!
目次
台湾のソーシャルメディア事情【広告媒体としても有効なのか?】
台湾では、日本以上にソーシャルメディアが浸透していて、口コミへの信頼度が高く、ソーシャルメディアは重視されます。
そのため、台湾においては、ソーシャルメディアを利用した広告展開は有効です。
台湾のソーシャルメディア事情を詳しく押さえることで、根拠を持って広告展開をできるようになります。
以下で、詳しく見ていきましょう。
日本以上にソーシャルメディアが浸透している
台湾では、日本以上にソーシャルメディアが浸透しています。
ソーシャルメディアユーザーは、日本では総人口の61%であるのに対し、台湾では総人口の89%です。(日本:We Are Social、台湾:We Are Social)
1日のソーシャルメディア利用時間も、日本の36分に対し、台湾では3倍以上の1時間52分となっています。(日本:We Are Social、台湾:We Are Social)
ソーシャルメディアの普及率と利用時間の長さから、台湾では日本以上にソーシャルメディアが浸透しているのは明らかです。
目的ごとに媒体を使い分けている
台湾では、以下のように、目的ごとにソーシャルメディアの媒体を使い分けています。
・情報収集・オフィシャルな内容を投稿 | |
・情報収集・日常のプライベートな出来事を投稿 | |
YouTube | ・情報収集・娯楽ツール |
LINE | ・日常のコミュニケーションツール |
Facebookでは家族や親戚、仕事関係の人まで広くつながっているため、オフィシャルな内容を投稿します。
Instagramでつながっているのは親しい友人同士なので、投稿するのはプライベートな内容です。
Facebook、Instagram共に情報収集に利用しますが、まず「#(ハッシュタグ)」を用いてInstagramで簡単に検索し、さらに詳しい情報を得るためにFacebookを利用します。
YouTubeはテレビのように視聴する娯楽ツールとして利用され、日常のコミュニケーションツールとして利用されるのがLINEです。
以上のように、台湾人は目的ごとに媒体を使い分け、日常生活の中でソーシャルメディアを利用しています。
アーンドメディアが重視される台湾では広告媒体として重要
台湾では、ソーシャルメディアや個人ブログなどのアーンドメディアが重視されており、ソーシャルメディアは広告媒体として重要です。
TVCMや雑誌広告などのペイドメディアは、「騙される」という感覚が強いため、台湾での信頼度は低くなっています。
また、自社運用サイトなどのオウンドメディアへの信頼度も低く、台湾人は、必ず口コミをチェックしてからの購入が主流です。(出典:FreakOut)
口コミの信頼度が高い台湾では、アーンドメディアが重視されており、ソーシャルメディアは有効な広告媒体と言えます。
台湾における主要ソーシャルメディアの状況
ここまで、台湾ではソーシャルメディアの普及率が高く、広告媒体として有効であることを確認してきました。
ここからは、台湾における主要ソーシャルメディアの状況について解説します。
台湾における主要なソーシャルメディアは、以下の5つです。
・YouTube
・LINE
台湾であまり使われていないソーシャルメディアで広告展開をしても、芳しい結果は得られません。
以下の解説を参考にすれば、どのソーシャルメディアを利用して広告展開すれば効果的なのかがわかります。
以下で、詳しく見ていきます。
台湾で使われているソーシャルメディアとして、真っ先に名前があがるのがFacebookです。
台湾におけるFacebookの状況について、以下で見ていきます。
もっとも頻繁に使われるソーシャルメディア
Facebookは、台湾でもっとも頻繁に使われるソーシャルメディアです。
台湾では、インターネットユーザーのうち89%もの人がFacebookを利用しています。(
出典:We Are Social)
また、使用頻度の高さも57%と、Facebookが一番です(出典:AUN CONSULTING)。
ユーザーの普及率と使用頻度から、Facebookが台湾におけるもっともメジャーなソーシャルメディアと言えます。
台湾におけるFacebookの使われ方
台湾では、Facebookを名刺代わりに使用しています。
台湾では人口の9割近い人が利用しているため、初対面でアカウントを伝え合い、Facebookで友達になることで名刺交換とみなすのです。
名刺代わりに使用するほどなので、プロフィールが充実しており、企業が人材発掘に用いることもあります。
また、Facebookは重要な情報収集ツールです。台湾人は、時間が空くと頻繁に投稿をチェックしています。
台湾では、訪れた施設やお店の情報がマップとともに表示される「チェックイン機能」が多く利用され、気になるお店や施設を参考にすることが多いです。
以上のように、台湾においてFacebookは、名刺代わりと情報収集ツールとして使用されています。
近年、台湾において若年層を中心に利用者数を伸ばしているのが、Instagramです。
台湾におけるInstagramの状況について、以下で見ていきます。
若いユーザーが中心
台湾においてInstagramは、若いユーザーを中心に利用されています。
台湾のInstagramのユーザー数は、2018年12月時点で、総人口の33.9%の806万2千人です。(出典:NapoleonCat.)
全体のユーザーのうち、25~34歳までが33.5%、18~24歳までが28.5%と、若いユーザーが6割以上を占めています。(出典:NapoleonCat.)
芸能人やインフルエンサーをフォローし、トレンドや新商品に関する情報を収集するのが使用目的の1つです。
若いユーザーの情報収集に用いられるInstagramは、若年層へ向けたプロモーションに有効な媒体と言えます。
YouTube
台湾で動画を観るとき日常的に利用されているのが、YouTubeです。
台湾におけるYouTubeの状況について、以下で見ていきます。
ユーザー数・視聴時間共に増加中
台湾では、YouTubeのユーザー数・視聴時間共に増加中です。
2019年1月時点で、総人口の90%もの人がYouTubeを利用しています。(出典:We Are Social)
台湾ユーザーのYouTube視聴時間は、2015年1~3月期において前年比80%増に達し、ユーザー1回訪問あたりの平均視聴時間は25分に及んでいます。(出典:TAIPEI TIMES)
日本人がテレビを観るのと同じ感覚でYouTubeを視聴する人が多く、台湾人の生活に定着しているのです。
ユーザー数・視聴時間共に増加し、生活に溶け込んでいるYouTubeは、台湾における広告媒体として有効と言えます。
ビデオアドネットワークが注目されている
台湾では、「ビデオアドネットワーク」というサービスも注目されています。
近年、台湾において動画広告は著しい成長を遂げており、その一因としてビデオアドネットワークの活躍があげられるためです。
ビデオアドネットワークとは、映画やドラマなどの在庫を多く持つサイトで配信する広告のことを指します。
広告の形式は、ビデオの再生途中にTVCMのように動画広告を配信するものと、動画広告専用の枠を提供するもの2つです。
日本で言う「Hulu」や「Netflix」のようなVODサービスに似ています。(出典:Exchange Wire)
台湾での広告展開において、ビデオアドネットワークにも着目してみましょう。
LINE|企業アカウントの活用が活発
台湾でのLINEは、個人だけでなく企業の活用も活発です。
台湾におけるLINEの状況を、以下で見ていきます。
利用率は80%超えている
台湾でのLINE利用率は、80%を超えています。
2019年1月時点のLINE利用率は、総人口の84%です。(出典:We Are Social)
1週間のうち1時間以上必ずLINEを利用するユーザーは94%にものぼり、91%のユーザーが「最も重要なSNSはLINEである」と回答しています。(出典:DAC Solution Service)
また、台湾では企業アカウントの利用が活発です。155の公式アカウントが開設されており、そのうち20アカウントは、友達を1,000万人以上に拡大しています。(出典:DAC Solution Service)
普及率が高く、個人だけでなく企業の利用も進んでいるLINEは、有効な広告媒体です。
LINE Ads Platform
海外で唯一、「LINE Ads Platform」が展開されているのが台湾です。
「LINE Ads Platform」とは、「LINE」や「LINE」関連サービスを対象とした広告配信プラットフォームで、タイムラインなどでユーザーに広告が表示され、広告の表示有無や効果を細かく確認することができます。(出典:LINE)
台湾でのLINE利用率は総人口の84%と高いため(出典:We Are Social)、「LINE Ads Platform」は効果的なプロモーション方法です。
日本では盛んに使われているTwitterですが、台湾での普及率はそれほど高くありません。
台湾におけるTwitterの状況を、以下で見ていきます。
台湾ではほとんど使われていない
台湾でTwitterは、ほとんど使われていません。
2019年1月時点でのTwitter普及率は、総人口の24%と低いです。(出典:We Are Social)
フレンドリーな国民性を持つ台湾人には、匿名でつぶやくTwitterより、顔がわかる友人・知人同士で交流するソーシャルメディアの方が好まれると推察されます。
Twitterは台湾での普及率が低いため、有効な広告媒体とは言えません。
台湾のSNSマーケティングはFacebookを使うべき!
台湾におけるSNSマーケティングは、Facebookを使うことをお勧めします。
台湾においてもっともメジャーなソーシャルメディアであり、広告のターゲティングの精度も高いFacebookは、有効なマーケティングが可能です。
ここからは、Facebookの広告媒体としての有効性を解説します。
Facebookの広告媒体としての有効性を理解しないままでは、台湾において正確で効果的なSNSマーケティングができません。
以下の内容を参考にすれば、Facebookを利用した効果的なSNSマーケティングが可能になります。
・圧倒的なユーザー数
・ターゲティングの精度が高い
・企業HPは持たずにFacebookページだけの企業がある
以下で、詳しく見ていきましょう。
圧倒的なユーザー数
台湾のソーシャルメディアの中でも、Facebookが圧倒的なユーザー数を誇っています。
2018年12月時点で、台湾のInstagramユーザー数は806万2千人ですが、Facebookユーザー数は、1,929万人です。(Instagram:NapoleonCat.、Facebook:NapoleonCat.)
圧倒的なユーザー数から利用されているFacebookは、台湾でのSNSマーケティングに適しています。
ターゲティングの精度が高い
Facebook広告は、ターゲティングの精度がとても高いです。
Facebookは実名登録が原則であり、年齢・性別・居住地・趣味なども登録されているため、Facebook広告では、ユーザーデータを用いた細かいターゲティング設定ができます。
また、自社の顧客・接点のあるユーザー・顧客と類似したユーザーにターゲティングすることも可能です。
ターゲティングの精度が高いFacebook広告を利用することで、効果的なSNSマーケティングができます。
企業HPは持たずにFacebookページだけの企業がある
台湾の企業には、企業HPは持たずにFacebookページだけを運用しているところがあります。
Facebookページは、個人アカウントがあれば誰でも簡単に開設することができ、複数人が管理人となって運用可能です。
Facebookページに「いいね!」をしたユーザーのニュースフィードには、Facebookページの投稿内容が流れます。
また、広告の出稿や、投稿がどれくらいの人に届いたかのアクセス解析も可能です。
Facebookの普及率が高い台湾では、Facebookページを用いれば、HPがなくても効果的な情報発信ができます。
台湾でのソーシャルメディアを活用した広告展開の鍵とは?
台湾でのSNSプロモーションでは、以下の3点が鍵になります。
・インフルエンサーの影響力
・個人ブログ等のアーンドメディアへの高い信頼度
・中国語への対応は必須
台湾においてインフルエンサーの影響力は大きく、インフルエンサーを活用したプロモーションは効果が高いです。
また、台湾で用いられる中国語へ対応しなければ、台湾の人々に情報を届けることはできません。
以下の内容を参考にし、ポイントをおさえた効果的なSNSプロモーションを行っていきましょう。
インフルエンサーの影響力
台湾では、インフルエンサーの影響力が大きいです。
台湾人は、情報収集する際に、まずSNSやブログの口コミを見て判断します。
商品やサービスの提供者ではなく、実際に試した生の声が重要視されるのです。
そのため、SNSやブログを運営するインフルエンサーが発する情報は、大手メディアと同等の影響力があります。
台湾でのSNSプロモーションでは、影響力が絶大なインフルエンサーの活用が重要な鍵です。
個人ブログ等のアーンドメディアへの高い信頼度
台湾ではSNSや個人ブログなどのアーンドメディアへの信頼度が高いです。
TVCMや雑誌広告などのペイドメディアは「騙される」という感覚が強いため、実際に体験した個人の口コミが信頼されます。
個人が発信する情報への信頼度が高い台湾では、インフルエンサーを活用したプロモーションの効果が高いです。
中国語への対応は必須
台湾でのSNSプロモーションの際には、中国語への対応は必須です。
中国語の中でも「北京語」が台湾の公用語になっていますが、文字は中国本土の簡体字ではなく「繁体字」が使われています。
そのため、SNSでの情報発信は「繁体字」で行う必要があります。
簡体字で書かれたものは離脱されやすくなりますので、注意が必要です。
台湾におけるソーシャルメディアを活用した広告事例
インフルエンサーの活用と中国語への対応が、台湾でのSNSプロモーションのポイントとなることをご紹介してきました。
ここからは、実際に台湾のインフルエンサーを活用してプロモーションを行っている、「ファミリーマート」の事例をご紹介します。
事例を知れば、自社のSNSプロモーションの成功に活かすことが可能です。
以下で詳しく見ていきましょう。
ファミリーマート
「ファミリーマート」では、台湾のインフルエンサーを起用し、動画を使ったプロモーションを行っています。
インフルエンサーに「ファミリーマート」で扱っている商品を試食してもらうなどして、台湾での認知度を高め、集客につなげているのです。
「Famiwebchannel」という台湾向けのYouTubeチャンネルでは、すべて「繁体字」に対応しています。
400万再生を超える動画もあり、優秀な広告チャンネルです。
また、台湾からの訪日観光客向けに、日本の「ファミリーマート」の使い方を説明する動画も作成し、インバウンド対策へもつなげています。(出典:インバウンドNOW)
最後に
いかがだったでしょうか。
台湾におけるソーシャルメディアの状況について、詳しく見てきました。
台湾では、日本以上にソーシャルメディアが浸透していて、ソーシャルメディアを利用した広告展開は効果的です。
中でも、普及率が高くターゲティングの精度も高い、Facebookを利用した広告展開をお勧めします。
では。