シンガポールのデジタルマーケティングについての情報をお探しでしょうか。
アジアのハブと呼ばれているシンガポール。旅行・ビジネス・文化などどこかの点で聞き覚えのある国かと思います。
そんなシンガポールですが、デジタルマーケティング・インターネット広告市場はどうなっているのでしょうか。
ここでは、シンガポールのデジタルマーケティングの中の基本情報、広告プラットフォーム、EC市場、クリエイティブについて解説していきます。
目次
【シンガポール編】アジアのデジタルマーケティングについて
シンガポールのデジタルマーケティングを理解すると言っても非常に広いため、冒頭にも記載した通り以下の4つを中心に記載していきます。
- 国の基本情報
- 広告プラットフォーム
- EC市場
- クリエイティブ
もし探している内容と異なるというようでしたら、こちらの記事を読んでみてください。
デジタルマーケティングの内容を課題別に説明しています。
シンガポールの基本情報
本題のデジタルマーケティングにいきなり入る前に、まずはシンガポールの基本情報を抑えていきましょう。
基本情報でも、マーケティングやクリエイティブに活かせる情報もあるからです。
人口:560万人
言語:英語・中国語
面積:721.5km2 (東京23区とほぼ同じ)
気温:一年中27~32度
民族構成:華人系74%、マレー系13%、インド系9%、そのほか4%
いわゆる、多民族国家と呼ばれています。大半は中華系です。
インド・中国・マレーと個性が強烈な民族ばかりです。この点が”マーケティング”分野でも影響してきます。
面積は東京都と同じで小さいため、エリアごとのターゲティングは必要ありません。
また、一年中夏なので季節感のあるクリエイティブは反応がしやすいとされています。
シンガポールのSNS使用状況
シンガポールの基本情報を知った次はデジタルマーケティングについて見ていくことにします。
昨今のデジタルマーケティングと言えばSNS広告は欠かせません。そしてSNSは国によって使用しているものが異なります。
シンガポールではどういうSNSを使用しているのでしょうか。
グローバルメディアの多様
シンガポールは英語を話す事もあり、グローバルメディアを非常に使用しています。
以下を見ましょう。
こちらはWearesocialが発表した、2020年1月度のシンガポールで最も使用されているSNSランキングです。
1位はYoutube、2位はWhatsapp、3位はFacebook、4位はInstagram、5位はFB.Messengerとどれもグローバル・メディアばかりです。Twitterは少ないです。
インターネットの広告市場においては、Youtube・Facebook・Instagramを中心として配信します。TwitterやLinkedInはほぼ配信しませんが、広告主のキャンペーンによりケースバイケースです。
日本では有名なLINEはほぼ使いません。
また中国の旅行客をターゲティングしたいときは、WeChatを使用する事もあります。
もちろん、デジタルマーケティング・インターネット広告においてはGoogleも使用します。
シンガポールは上記のようなグローバル・メディアをインターネット広告のプラットフォームとするケースが多いです。
日本のように有象無象に広告プラットフォームがある環境ではないので、その点は運用しやすいといえます。
こちらもWearesocialが発表しているSNS上の年齢別のグラフです。
特徴的なのは、45歳−54歳や55−64歳の方々もSNS上にいるということです。
日本だと彼らはあまりSNSを使用していない事が多くデジタルマーケティングの対象オーディエンスとなりにくいのですが、シンガポールはほぼ全ての人がスマートフォンを駆使して生活しているため、彼らも相当数FacebookやInstagramを使用しています。
シンガポールのEC市場
シンガポールはEC大国です。
かくいう僕自身もECで商品を閲覧することはもちろん、購入して家まで届けてもらっています。
こちらはシンガポールのECサイトのアクティビティの表になっています。特徴的なのは商品を実際に購入した人が7割以上いるということです。また、その半分以上はスマートフォンからの購入です。
10人に7人もECで購入しています。
食料品などが注文してから家の前まで届き、2時間毎に配送の選択をすることができ、ネットスーパーの方が安く、決裁もいろんな方法から選ぶことができるため、非常に便利なんです。
なので、何か商品を売りたい時は、自社のウェブサイトを作成するのもよいのですが、大きいプラットフォーム(日本で言う楽天・アマゾンなど)に登録して販売するというのも一つの手段となります。
以下でシンガポールの代表的なECサイトをいくつか紹介します。
LAZADA
Lazada(ラザダ)は東南アジア6カ国に展開している最大級のショッピングサイトです。
食品以外にもさまざまな分野のメーカー、ブランドが出店しており、出店数は3,000店以上あり、1日のアクセスは500万以上、Facebookファンは100万以上と非常に人気があります。
Lazadaは「東南アジアのAmazon」とも呼ばれ、AppleやSAMSUNG、CONVERSEやNew balanceなど大手メーカー、TescoやGuardianなど、ローカルの大手企業も出店していて非常に便利です。
時計メーカーや化粧品メーカーなどのオフィシャルE-storeもあります。
RedMart
RedMart(レッドマート)は主に食品や日用品を扱っているネットスーパーです。僕はも普段から使用しており、野菜とかビールのケース・水のケースを大量買いしています。
ここの何がいいかというと、時間帯指定が土日関わらず2時間毎に決められるということです。これなら家で待っている事も可能ですね。
現在はLAZADAと合体しているので、もうここだけで買い物が解決してしまいます。
Shopee
Shoppe(ショッピー)は2015年に株式会社Seaによって立ち上げられたECサイトです。後発組ながら、著名人を広告に使用することで一気にトップECサイトに登りつめようとしています。
Shopeeですが、LAZADA同様に各ブランドのオフィシャルE-storeがあるため、こちらで購入する方も多いです。
その他
AMAZON・楽天・Q10・TAOBAOなど日本・海外・中国系のECサイトはシンガポールにいくつもあります。
だいたいECで手に入らないものは無い一方で、シンガポールにて在庫を保管していることが少ないため(土地代が高くできない)、基本的には海外からの配送というのがよくあります。
自社ウェブサイト?プラットフォーム?
シンガポールで商品を販売したい時、自社のウェブサイトを1から構築して販売するのも一つの手段ですし、データマネジメントやCRMの観点からは良いです。
ただ、コストがかかる、時間がかかるなどデメリットもあるため、プロモーションや集客などは各広告主が行い、受け皿は販売などはLAZADAやShopeeなどのプラットフォームに任せるという手もあります。
最近、FacebookがShopeeやLAZADAとAPI連携して、自社のランディングページの代わりにE-コマースのページに飛べるよう設定できるようになったので、とりあえず売りたい!というかたはこちらもおすすめです。
デジタルマーケティングにおけるクリエイティブについて
シンガポールのデジタルマーケティングを攻略する上で、クリエイティブの理解も大事なポイントになってきます。
冒頭にも記載した通りシンガポールは多民族国家です。
デジタルマーケティング・インターネット広告で必要なクリエイティブですが、そのクリエイティブも日本の感覚とは違った方向性で作成しなければいけないときがあります。
GUCCIやCHANNELなどハイブランドであれば本社が作成したクリエイティブ(動画・写真)を各国で展開しますが、基本的にはローカライズが必要となります。
民族が異なると同じ国民であってもユーモアの場所が異なります。
ただ、国民の多くは中国系なので彼らをベースとして考えると、少し自虐をまぜたユーモア動画が好まれていたりします。
また、多民族国家なので、誰を起用するかも気をつけています。これは政府の独立記念日の為に作成した動画なのですが、中華系だけでなくインド系やマレー系も取り入れて平等性を大事にしています。
シンガポールでは英語の他に中国語・ヒンディー語・マレー語が話されていますが、広告で使用する言語は英語のみで問題ないです。
このように、シンガポールならではの感性を取り入れて広告作成をしていきましょう。
デジタルマーケティングキャンペーンはリージョナルで行うことが多い
リージョナルキャンペーン(Regional Campaign)とは何でしょうか。
シンガポールはアジアの統括拠点会社を置いている会社が多いです。
つまり、シンガポールにいながら、タイやマレーシアなど周辺国もまとめて管理するという事です。
デジタルマーケティングにおいても同様です。
シンガポールのみならずアジア全体で広告配信をしたいという広告主が多いです。ですので、シンガポールにいながら他の国でもデジタルマーケティング・インターネット広告の配信を担当することがあります。
日本であれば日本市場だけを見ていればいいのですが、シンガポールにいるとアジア全域を担当しなければいけないため、担当者はやるべき事が多いです。
上のグラフはとあるリージョナルキャンペーンのレポートです。
見る指標は同じでも各国でどのような傾向があるので一つ一つ見ていく必要があります。
広告主は1社でも感覚としては7社(7カ国)持っている感覚に近いです。
クリエイティブについては、統一のを配信することが多いですが、国によってローカライズすることで、各国の方々に受け入れてもらうクリエイティブになります。
各マーケットを理解できる
このようにシンガポールにいる身ですが、アジア各国の特性や市場はある程度理解できるようになります。
タイやフィリピンなど他の東南アジアはたいていその国を中心に見ているので、シンガポールでの仕事内容特異な国だと思います。
もちろん、シンガポールのみがターゲット市場という事も全然あります。
広告主によりケースバイケースです。
日本にいると、東南アジアというひとくくりにされがちですが、それぞれの国が違った特性があるため、ローカライズは必要となってきます。
デジタルマーケティングの知識レベルはどれくらい?
正直、各媒体の知識自体は皆さん大してもっていないです。
どのくらいかというと、日本でインターネット広告代理店で2年くらい働いていれば相当通用できるレベルだと思います。
市場やプラットフォーム、クリエイティブなどは違いますが、根っこは一緒です。
何かあればご相談を
もしシンガポールやアジアのデジタルマーケティングでお困りでしたらご相談ください。
日本で3年間、シンガポールで4年間デジタルマーケティングに従事してきた経験から、アジアのマーケット事情、どのプラットフォームを使用すべきか、誰をターゲットとするか、現地ローカル言語の翻訳など幅広くお答えできます。
ご相談は無料で受け付けていますので、まずはお気軽にお問い合わせくださいませ。
最後に
いかがだったでしょうか。
日本で流行っているものをそのままシンガポールに持ち込んで広告を行ったところで、流行るとは限りませんし、しっかりとローカライズをする必要があります。
また、ターゲットオーディエンスにリーチするために使用する広告プラットフォームも現地に合わせたものにする必要があります。
この記事以外にもシンガポールのデジタルマーケティングについて記載した記事があるので、こちらもご参考頂くと良いかと思います。
【シンガポール編】アジアのデジタルマーケティングについてでは。
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