「タイで広告を出したいが、どの媒体に力を入れるべきかわからない」とお考えでしょうか?
タイでのインターネット普及率は82%と高く、インターネットを利用した広告は有効な手段となっています。
しかし海外の広告媒体となると、日本語の情報が少なくリサーチが難しいというデメリットも。
そこで本記事では、現在のタイの広告事情と力を入れるべき媒体をご紹介しました。
本記事を読めば、タイの広告事情や媒体の特徴を知ることができ、効果的な広告展開ができるようになります。
わかりやすく解説しているので、タイでの広告展開の際、ぜひ参考にしてください。
目次
タイの広告事情【デジタルシフトが進行中】
タイの広告市場規模は2020年現在も成長しており、なかでもインターネット広告(デジタルマーケティング)は急成長を遂げています。
タイの広告事情を知らずに日本と同じ感覚でいると、効果のない施策に予算を無駄遣いすることにもなりかねません。
市場規模の推移と、タイで主に利用されている広告媒体という2つの観点から、タイの広告事情を見ていきましょう。
市場規模
2020年現在、タイの広告市場規模は拡大しています。
BangkokPostによると、2018年には広告支出の全体が約1,180億バーツだったのに対し、2019年には1,240億バーツと、4.8%増加しました。
なかでも、インターネットを使用したデジタル広告の成長率は20%を上回っています。
メディア投資会社GroupMのPathamawan Sathaporn氏は、デジタル広告は3~5年以内にテレビ広告の価値に匹敵すると予想しました。(出典:Bangkok Post)
タイの広告市場規模は拡大しており、なかでもインターネット広告の伸びが顕著なのです。
広告支出の内訳と推移
2020年現在の広告支出の内訳はテレビ広告がメインとなり、広告市場全体の58.7%ほどです。
広告市場全体の規模は2018年よりも4.8%アップしており、新聞のみ0.89バーツ減少しています。(出典:Bangkok Post)
インターネット広告に限ると2012年から継続して成長しており、2016年から2017年にかけては31%、2017年から2018年では21%増加しました。(出典:DAAT)
タイでは広告のデジタルシフトが進んでいるため、これからタイ進出を考えている人はインターネット広告の検討が必須です。
タイの主要広告媒体における現状と特徴【インターネット媒体は必須】
現在のタイにおける広告事情から、インターネット広告が有効ということがわかりました。
とはいえ、インターネット広告以外にも主要な媒体は存在します。
タイの主要広告媒体は、インターネット広告を含めて以下の3つです。
- インターネット
- テレビ
- 屋外
ここからは各媒体の現状と特徴を紹介していきます。
インターネット
2018年1月時点、タイのインターネット人口は5,700万人です。
タイでは2013年以降、インターネットの普及率は伸びており、今後もさらに増加すると予想されています。(出典:We Are Social)
インターネット普及率の増加とともに、インターネット広告の重要性も増しました。
Bangkok Postによると、2018年から2019年にかけて、タイのインターネット広告は20%以上増加しています。
インターネット広告の内訳を見ると、2019年時点ではFacebook広告が5.7億バーツと全体の29%を占めています。(出典:Digital Advertising Association (Thailand) / DAAT)
YouTube広告が全体の20%なので、YouTubeとFacebookでデジタル広告費全体の半分を占める割合です。
インターネット広告の中でも、FacebookとYouTubeが強くなっています。
タイでこれから広告展開をするならインターネット広告はもちろん、そのなかでもFacebook広告やYouTube広告の検討は必須です。
テレビ
タイではテレビの普及率が約100%と高く、ほぼ全国民へアプローチが可能です。
2017年時点におけるタイ全土での地上波電波カバー率は98%、テレビの世帯普及率は99%。(出典:JETRO)
日本の二人世帯以上のテレビ普及率は2018年時点で96.6%なので、タイの普及率が上回っていることがわかります。(出典:Yahoo!JAPANニュース)
タイでは家族全員でテレビを見ることが多く、テレビ広告も家族層にリーチしたものが主流です。
特に最近では「感動もの」のCMが話題となり、注目を集めました。(参考:Buzz Plus News)
タイで広告展開する際は、インターネット広告だけでなく、家族層などを中心に未だ根強い影響力があるテレビ広告の検討も必須です。
屋外
タイにおいて屋外広告は、高速道路脇の巨大看板やビルラッピング広告など積極的に利用されており、重要な広告媒体の一つです。
タイで屋外広告が重要な理由の一つは、交通事情です。
世界の渋滞状況を調査しているTom Tom Traffic indexによると、タイ・バンコクの渋滞ランキングは世界403都市中第8位2017年以降徐々に減少してはいるものの、いまだトップレベル。
交通渋滞により人々の外出時間は伸び、消費者との接点として屋外広告は重要な役割を果たしているのです。
インターネット媒体の中でも力を入れるべきタイの広告媒体3選
ここまでで、タイではインターネットを利用した広告が伸びていることがわかりました。
ここからは、インターネット媒体のなかでも力を入れるべき媒体をご紹介します。
インターネット媒体の中でも力を入れるべき広告媒体は、以下の3つです。
- YouTube
- Google 広告
力を入れるべき媒体を知ることで、より効率的に広告展開が可能になります。
それでは以下で詳しく見ていきましょう。
タイでの広告運用をする上でFacebookが有効な理由は、ユーザー数の多さにあります。
インターネットユーザーのうち約93%の人が使用している、タイで最も人気のあるSNSです。
日本での利用率56%と比べても、ユーザー数の多さが分かります。(出典:Social Media Lab)
ユーザー数が多く効果的にアプローチできるため、広告媒体としてFacebook広告は力を入れるべきです。
ROIはGoogle広告と並んで1位
Facebook広告のROIはGoogle広告と並んで1位です。
ROIとは、Return On Investmentの略語で、投資したコストに対する効果を見る指標。
ROI=利益÷投資コスト×100
ETDAによれば、Facebook広告はGoogle 広告と並んでROIの良い広告媒体です。
タイにおいて、Facebook広告は力を入れるべき広告媒体と言えます。
事例|Generali Life Assurance (Thailand) PCL.
タイのGenerali Life Assurance (Thailand) PCL.は、イタリアを本拠地として全世界に展開するAssicurazioni Generaliグループの現地生命保険会社です。
Generali ThailandがFacebook広告を導入したことにより、コンバージョン率は2.5倍、Facebookからの総リード数は38%に増加しました。(出典:Generali Thailand)
数字からも、タイにおいてFacebook広告は力を入れるべきということが分かります。
YouTube
YouTubeはタイでも動画共有サイトとして人気が高く、力を入れるべき広告媒体になります。
Bangkok PostによるとタイにおけるYouTubeの視聴率は全世界で8番目に長く、同時にYouTube広告の活用も進んでいます。
YouTubeを広告媒体として選択するべき理由や使用事例について、見ていきましょう。
視聴時間は世界8位とトップレベル
Google Thailandのマーケティング部代表であるPete Nuchanatanonによると、タイにおけるYouTubeの視聴時間は1日に平均1.7時間と、世界で8番目の視聴時間です。(出典:Bankok Post)
視聴時間の増加に伴い、YouTube広告の市場も拡大しています。
インターネットユーザーのうち、YouTubeを利用している人の割合は91%です。(出典:We Are Social)
Facebook同様、広くアプローチすることができるため、YouTubeも力を入れるべき広告媒体といえます。
事例|Ocean Skin
タイで有名なYouTube広告の一つに、Ocean Skinという女性用スキンケア商品の広告があります。(出典:Ocean Skin)
Ocean Skinは、フランスの海にいるプランクトンの成分を含んでいることが売りで、美しい肌を求める女性がフランスの海まで航海をするストーリーです。
Ocean Skinの広告は、美意識が高い女性の多い中国で特に話題となり、2019年9月28日現在、およそ320万回再生されています。
Google広告
全世界で利用されているGoogle 広告は、タイで広告を出す際にも有効な手段です。
その理由を以下で詳しく説明していきます。
アドネットワークの活用で効率的な広告配信が可能
アドネットワークの活用で効率的な広告配信が可能です。
アドネットワークは、Webサイト上にあるソーシャルメディアやブログなど、複数の広告媒体を集めて広告配信ネットワークを形成します。
広告配信ネットワーク上で広告を公開することで、多数の良質なWebサイトで広告が配信できるのです。
出稿先のメディアとして、例えばKapookがあります。
多くのWebサイトで一挙に掲載できるので、全体的なクリック率を稼ぎやすいという特徴があります。
事例|ばんせい証券
ばんせい証券は、Google 広告の活用により、資料請求数が広告配信前の 3 倍にまで増加しました。(出典:Google 広告)
3 年前から全国紙の新聞広告を中心にプロモーションを展開してきた同社。
政令指定都市の 55 歳以上の顧客をメインターゲットとしてアプローチしてきましたが、顧客層の固定化や新聞広告の効果の低下が課題となっていました。
そこで、新規顧客の獲得のために、30 種類のターゲットユーザーにディスプレイ広告を配信し、効果の高いものを選択。
その結果、資料請求数が3倍になり過去最大の経常利益も達成しました。
タイで広告展開するときのポイント
タイで広告展開をする際のポイントは以下の3つです。
- ターゲットに合わせて媒体を使い分ける
- 運用改善をしっかり行う
- 効果を最大化するために現地事情を深く理解する
ポイントを押さえると、出稿側とユーザー間で認識のズレが無くなるので、より有利に広告展開をすることができます。
それぞれ、見ていきましょう。
ターゲットに合わせて媒体を使い分ける
広告運用の際は、ターゲットに合わせて広告媒体を使い分けることが大切になります。
媒体により、効果の出る広告が違ってくるからです。
タイではインターネット媒体をメインとして複数の広告媒体が利用されていますが、媒体によりユーザーの年齢層や目的は異なります。
例えば、Instagramなら18歳〜24歳の女性が多く、Facebookなら男女比は均等で年齢層がInstagramより高く、25歳〜34歳がピークです。(出典:NapoleonCat)
ターゲットの年齢や性別、目的に合わせた広告媒体を使うことで、より高い効果を狙うことができます。
運用改善をしっかり行う
広告、特にデジタルマーケティングは、展開してからの運用改善が必須といえます。
一度でユーザーニーズにあった広告を配信することは現実的ではなく、反応をみながら改善を重ねて効果を最大化する必要があるからです。
例えばデジタルマーケティングの基本であるリスティング広告では、広告キーワードごとのCPC・CVRなど各パラメータを監視し、改善しながらROIなどの指標で表される広告効果を高めます。
継続的な効果を生むためにも、デジタルマーケティングでは運用改善を含めた計画を立てましょう。
効果を最大化するために現地事情を深く理解する
効果を最大化するためには、現地事情を深く理解することが重要になります。
現地事情を深く理解することで、データよりも早くユーザーのニーズを捉えることが可能だからです。
例えば、タイには5S(便利・気持ちいい・楽しい・笑顔・仏教的感謝)という概念があり、5Sの概念を踏まえると、広告を理解しやすい内容にしさらに面白くすることがより大切になります。
5Sの概念は1つの例ですが、他にも広告展開で配慮するべき現地事情はあり、考慮が必要です。
しかし、自分で現地事情をリサーチ→業者に依頼→運用まで持っていくのは時間もコストもかかります。
ですので、海外での広告運用には、現地に精通した業者に依頼するのが最適です。
ターゲットによって媒体を変えるためには、データだけでは間に合わない知識や経験豊富な人のサポートが重要になります。
現地に精通した業者であれば、ターゲットに合わせた効果的なアドネットワークを駆使し、より精度の高い広告展開が実現可能です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
タイの広告運用には、デジタルマーケティング、特にSNSを利用した広告が重要ということがわかりました。
とはいえ、タイではデジタルマーケティング以外の広告も場合によっては有効な手段となっており、ターゲットや目的に合わせた運用が必要となります。
また、海外での広告運用はトレンドや現地事情など不安な点も多いです。
もしお困りごとがあればお気軽にお問い合わせくださいませ。
でh.