タイで広告出稿をする際に必要な広告費についてお調べでしょうか?
しかし、タイでは広告費がかけられている媒体も、広告の予算感も日本と異なります。
そのため、日本のノウハウや感覚をそのまま適用するだけでは不十分です。
そこで本記事では、今タイで広告費をかけるべき媒体であるFacebook広告の詳細とともに、タイにおける広告費の予算感をご紹介します。
本記事を読めば、有効な広告費の使い方や予算感の捉え方が見えてきます。
有効に広告費を使い、タイで売り上げをアップしましょう。
目次
タイの広告市場を解説【広告費の総額は日本の6%程度】
まずはタイの広告市場を押さえましょう。
以下2つの観点からタイの広告市場をみていきます。
・タイの広告市場は日本と比べて小規模
・タイの広告市場規模の推移
それぞれ見ていきましょう。
タイの広告市場は日本と比べて小規模
タイの広告市場は、日本と比べると小規模といえます。
BangkokPostによると、2018年のタイの広告市場は4,075億円程度です。
一方日本は、同年の広告市場は6兆5,300億円まで上ります。(出典: 電通)
このように、タイの広告市場は金額ベースで日本の6%程度と小規模なのです。
タイの広告市場規模の推移
タイの広告市場規模はここ数年ピーク時と比べて下がっていますが、今後成長すると予想されています。
Statistaによると、タイでの広告支出は2010年から2015年にかけて21.6%もの成長を見せ、2015年にピークを迎えました。
しかし、2015年から2017年にかけて17%に落ち込んでいます。
とはいえ、人々のデジタルシフトの影響もあり、2018年にはまた4%の成長を見せ、さらに2019年には4.9%の成長が見込まれている状況です。
タイの広告市場規模は上下しながらも、今後の成長が見込まれています。
タイで広告費がかけられている媒体は?Facebookが人気
タイでは近年インターネット広告に広告費が集まるようになっており、中でもFacebook広告が人気です。
ここでは、インターネット広告とFacebook広告が伸びている背景を解説します。
広告費の内訳
現在タイの広告費の大部分を占めるのはテレビ広告です。
BangkokPostによると、2018年に最も多くの広告費がかけられたのはテレビ広告で、59.1%でした。
次いでインターネット広告が12.6%、映画広告が6.2%、屋外広告が5.8%、新聞広告と交通機関が5.1%と続きます。
現状、圧倒的なシェアを持っているテレビ広告に広告費が集まっている状態です。
成長するインターネット広告
テレビ広告の割合が高いタイの現在の広告市場ですが、今後はインターネット広告が成長すると予想されています。
2020年の広告市場予想を見ると、テレビ広告は58.7%と0.4%シェアを落とし、インターネット広告は14.5%と1.9%にシェアを伸ばす予想となっています。(出典:Bangkok Post)
成長率で比較すると、テレビ広告は4.1%に対してインターネット広告は20.1%です。
インターネット広告が伸びる背景として、Eコマースの成長があります。
ETDAによると、タイはASEANの中でEコマースが最も大きく成長している国です。
タイでは近年、大手銀行がモバイルアプリを使用することで、オンライン決済手数料を無料化しました。
大手銀行のオンライン決済手数料無料化をきっかけに、他金融機関も手数料無料化に乗り出しています。
結果として消費者にとってオンライン決済が身近になり、Eコマース市場が成長しました。
オンラインでの売買が増えていくにつれて、インターネット広告の露出機会が増え、成長に繋がったと言えます。
このように、タイのインターネット広告は更なる成長が期待できるのです。
インターネット広告の中でもFacebookが人気
インターネット広告の中でも、タイではFacebook広告に人気が集まっています。
Facebook広告が支持される要因は、
・Facebook利用者の多さ
・Facebook利用方法の多様性
・広告費の低さ
の3つです。
Digital Advertising Association Thailandによると、2018年のタイでのメディア別広告費で最も多いのがFacebook広告で29%、次いでYouTube広告の17%となりました。
そのうえ、ETDAによると、中小企業に限った場合には94%がFacebook広告になります。
ETDAによると、Facebook利用者の数は5,200万人です。
また、外務省によるとタイの総人口は6,891万人なので、Facebook利用者は人口の75%以上になります。
また、タイではソーシャルネットワーキングのみならず、ビジネス目的でのFacebook利用も活発です。
Facebook広告は低価格で広告が打てるので、大企業と比べて使える広告費が限られる中小企業の利用に適しています。
このような要因があり、タイではインターネット広告の中でもFacebook広告が人気なのです。
タイの広告費は安い!予算の規模感を捉える
タイの広告費は安いと言えます。
とはいえ、外国での広告費の予算感を捉えるのは難しいです。
ここでは、予算のイメージの掴み方をご紹介します。
広告費の差は経済規模の差と同程度
タイと日本の比較において、広告費の規模の差は、経済規模の差と同程度と言えます。
西南学院大学 国際文化論集「タイにおける広告文化の諸特性 ― 外国文化の影響とローカル文化の反応 ―」によると、タイと日本の広告市場規模の差は、名目GDP規模の差と同程度です。
つまり、タイ社会でも広告は重要な存在であり、日本と同じ程度の割合で支出していると言えるのです。
Facebook広告で見る広告費と物価の関係
Facebook広告費は、国別に見ると物価の低い国の方が安くなる傾向にあります。
Statistaによると、2018年の調査対象国のうち最もインプレッション単価が高いのはイギリスで3.15USドル、次いでスペインの2.42USドル、アメリカの2.29USドルです。
一方で、2018年の調査で最もインプレッション単価が低かったのはコロンビアで0.42USドルで、次いでエクアドルの0.55USドル、グアテマラの0.58USドルです。
インプレッション単価が最も高いイギリスと最も低いコロンビアの物価を比べると、ビッグマックの価格はイギリスが519円、コロンビアが291円、映画鑑賞はイギリスが1921円、コロンビアは750円となるほど物価に差があります(出典:イギリス、コロンビア)。
このように、Facebook広告費は物価が低い国では安くなる傾向があります。
広告内容に左右はされるものの、物価の低いタイでは、日本よりも低価格でFacebook広告が打てると言えるのです。
Facebook広告費は何で決まる?パラメーターをチェック
国別のFacebook広告費の例を紹介しましたが、費用は他にも様々な要因で変わります。
ここでは、Facebook広告費を決めるパラメーターを紹介します。
クリック単価のパラメーター
クリック単価は、年の後半時期やコンバージョン目的であれば高くなります。
Adpressoのレポートによると、2018年のFacebook広告のクリック単価を月単位で見た場合、5月が最も低く0.21USドルほどです。
そして5月から徐々に増加していき、12月が最も高く0.44USドルとなります。
広告費は一般的にバケーションシーズンに向かって高くなっていきますが、Facebook広告のクリック単価は、特にクリスマスバケーションに向かって高くなる傾向です。
このデータは、単価の安いクリックだけでは、広告の目的が果たせなくなってきていることを表します。
例えば、同じくAdpressoのレポートによると、インプレッションを目的に打ったFacebook広告のクリック単価は2018年Q1で0.69USドルですが、コンバージョンまでを目的としてFacebook広告のクリック単価は同時期で2.55USドルです。
つまりクリック単価の上昇は、Facebook広告への期待が量よりも質にシフトしていることを表していると言えます。
このように、クリック単価は時期や広告の目的によって振れ幅があり、時期は年の後半、目的はコンバージョンが最も高くなるのです。
Like単価のパラメーター
Like単価は、年の初めが安いという特徴があります。
Adpressoのレポートによると、2018年のFacebook広告のLike単価はイースター、夏休み、クリスマスの3つのバケーションシーズンに向かって上昇し、それぞれバケーションが終わると少し落ち込む傾向です。
そのため、年末に向けて上昇し続けるクリック単価とは異なり、波があります。
その中でも、最も安いのが年始の0.10〜0.14USドル、最も高いのがクリスマス前の0.18USドルです。
広告効果を長期で考えているのであれば、Like単価の低い年始にLikeを集めるキャンペーンを打ち、年の後半に知名度が上がったところでコンバージョンを狙う方法があります。
アプリインストール単価のパラメーター
アプリインストール単価は、7,8月と10月にピークを迎えます。
クリスマスバケーションに向かう10月のアプリインストール単価が高いのは、クリック単価やLike単価と同じ傾向です。
Adpressoは7,8月にアプリインストール単価が高くなる理由を、夏休みのアクティビティに向けて新しいアプリのインストールが増えるから、と予測しています。
なので、アプリの広告を打つのであれば、7月よりも前に打つのが効率的です。
このようにアプリインストール単価は夏休みである7,8月、そしてクリスマスに向けて10月に高くなるのです。
最後に
いかがだったでしょうか。
タイで今、広告費をかけるべきはFacebook広告になります。
Facebook利用者の多さや費用の低さから、いま注目すべきインターネット広告媒体です。
一般的に、Facebook広告費は物価の低い国で安くなる傾向にありますが、時期やキャンペーン目的などでも広告費は異なってきます。
タイでの広告展開について相談をしたいときはお気軽にお問い合わせくださいませ。
では。