タイでのマーケティングで最初に知るべきことを詳しく解説

タイにマーケティング進出をお考えでしょうか?

タイは親日で日本の商品が人気な上、立地的に日本と東南アジアを繋ぐハブと言えます。

そんなタイは東南アジアへ進出の第一歩として最適しているな国です。

とはいえ、海外でのマーケティングは不安を伴うもの。

実際、タイ特有の成功事例や注意点を抑えないと効果のあるマーケティングをするのは難しいです。

そこで、今回の記事ではタイでマーケティングをする際に最初に知るべきことをわかりやすくまとめました。

この記事を参考にして、タイマーケットへ進出しましょう。

タイのマーケティング基本情報

タイのマーケティング基本情報

まずはタイのマーケティングにおける基本情報を把握しましょう。
市場規模と広告支出の内訳を見ていきます。

マーケティング市場規模

マーケティング市場規模

タイのマーケティング市場規模は日本と比べて小規模ですが、成長が見込まれています。

BangkokPostによると、タイの2018年の総広告費は4,075億円ほどでした。

対して、日本の2018年の総広告費は6兆5,300億円ですので、タイは日本の6%程度の規模になります。(出典:電通

金額ベースでは小規模ですが、BangkokPostによると2019年にはプラス4.8%の成長が予想されています。

日本では2005年以降の広告費の成長は最高でもプラス3%、年によっては前年比マイナスとなっています。(出典:電通

タイのマーケティング市場規模は小規模なものの、年々成長が見込まれているのです。

広告支出の内訳

広告支出の内訳

タイの広告支出は大部分がテレビ、次いでインターネット広告が多いです。

BangkokPostによると、2018年の総広告費のうち59.1%がテレビ広告を占めており、依然として伝統的な広告手段が主流。

次いで多いのはインターネット広告ですが、割合は12.6%でテレビ広告からは大きく引き離されています。
しかし2019年の予想を見ると、テレビは58.7%にシェアを減らし、インターネットは14.5%と伸びる予想です。
ただ、インターネット広告のシェアが伸びているとはいえ、依然としてテレビ広告が半分以上を占めています。

タイの広告支出は現状テレビ広告がもっとも多く、次いでインターネット広告が多いと押さえておきましょう。

タイ進出のメリット

タイ進出のメリット

日本企業の進出が相次ぐ東南アジアですが、タイへの進出は様々なメリットがあります。

主な4つのメリットを見ていきましょう。

メリット1:日本とアジアを繋ぐハブ

メリット①:日本とアジアを繋ぐハブ

タイは日本と東南アジアを繋ぐハブとしての役割を持つ国です。

東南アジアの中心に位置しており、隣接国にはミャンマー、ラオス、カンボジア、マレーシアがあります。

また移動手段は陸路空路ともに充実しているのです。
近年、南部経済回廊というタイ、ベトナム、カンボジアの南部を東西に移動できる陸路が整備されました。
そして空路はスワンナプーム国際空港とドンムアン国際空港という、バンコクにある2つの空港がハブ空港としての役割を果たしています。

OAGの調査によると、スワンナプーム国際空港はTOP50国際メガハブランキングで14位、ドンムアン国際空港はTOP25低コスト国際メガハブランキングで5位にランクイン。
2つの空港によってフルサービスキャリア、LCC共に多くの路線が離着陸するハブ空港となっているのです。

このように人の移動および物流の環境が良いため、東南アジアの進出の足がけとしてタイに進出する日本企業もあります。

タイは、日本と東南アジアを繋ぐハブと言えるのです。

メリット2:コストが安い

メリット②:コストが安い

タイは物価と人件費が安いため、サービスコストが抑えられるというメリットがあります。

JETROによると、ビールの値段は1缶現地通貨で34バーツ、日本円にすると100円強です。

そして人件費は同じくJETROによると、日系企業の事務職で1ヶ月の給料が10万円、ベビーシッターは1時間で650円、タクシーは5キロで昼間であれば250円ほどになります。

原料が現地調達できる場合や現地のスタッフに任せられる場合は、ぜひタイのリソースを活用しましょう。

タイではコストが安いのが大きなメリットです。

メリット3:増える中間所得層

メリット③:増える中間所得層

タイでは中間所得層が増加しています。

農林水産省によると、2000年時点では低所得層が43.6%、中間所得層が53.9%に対し、2020年には低所得者層が19.4%に減少し中間所得層が72.1%に増加すると予測されています。

なお、ここでは年間可処分所得が4,999米ドル以下の世帯を低所得層、5,000~34,999米ドルの世帯が中間所得層です。

中間所得層が増加することによってタイ国民の可処分所得が増加し消費に繋がるため、中間所得層の増加はビジネスチャンスと言えます。

JETROによると、アメリカ系のフィットネスジム、カーブスタイランドは、30代後半のアッパーミドル所得層をターゲットとしてタイに進出して2年で4店舗まで拡大しています。

タイでは中間所得層が増加しており、ビジネスにおいて大きなメリットと言えるのです。

メリット4:日本商品が人気

メリット④:日本商品が人気

タイにおいて日本のものは良いものというイメージがあるので、日本の商品や食べ物が人気です。

例えば、プミポン国王が身に付けたオニツカタイガーの靴や女王が身に付けたイッセイミヤケのバッグは、高い品質やデザイン性に加え王室人気も相まってタイ人お気に入りのアイテムとなっています。

そしてワコールやトリンプといった下着は、メーカーの工場がタイにあるため安く日本基準の高品質な下着を手に入れることができるので人気です。

また食べ物では、バンコク市内には至るところで日本語の看板を見つけられるほど日本食のレストランが数多く営業しています。

健康ブームのタイでは、日本食=ヘルシーというイメージも相まって日本食ブームが起きているのです。

その日本食ブームの勢いは、日本食レストランの店舗が増加することにより、料理人の不足が起こるほど。

商業界ONLINEによると、タイ、ひいては世界へ送り出せる寿司職人を育成するための養成学校がバンコクに開講しました。

このように、日本の商品や食べ物はタイで人気があるのです。

タイでのマーケティング成功事例

タイでのマーケティング成功事例

ここまで、タイへ進出するメリットを見てきました。

より明確にタイでのマーケティングの成功をイメージできるよう、実際の成功事例をご紹介します。

いずれも、ビジュアル的にわかりやすいアプローチが特徴です。

事例1:OISHI

OISHI社はタイの無糖茶メーカーの一つです。

主力SNSをLINEとして、猫のキャラクターOISHINekoのスタンプと人気の若手タレントを起用し、ビジュアル的なアプローチに努めています。

タイではビジュアル的にわかりやすく、かわいい、かっこいいものが人気を集める傾向にあるのです。

また人気バラエティーやコンサートのスポンサーも務めることでイメージアップを図りました。

その結果、CnetによるとLINEでは1,300万人以上の友達登録がされており、「無糖茶といえば」で真っ先に浮かぶ企業となっているのです。

事例2:VANQUISH

VANQUISHはタイ進出に成功した日本の衣類ブランドです。
VANQUISHは海外進出を計画する中で、最初に東南アジア、その中でもタイへの進出を選びました。

東南アジアを選択した理由は、ヨーロッパと比べて新しいものへのイメージが良いこと、欧米と違い服のサイズの変更が必要ないことによって、リスクマネジメントとなるから。

そしてその中でもタイを選択した理由は、東南アジアのハブとして機能するからです。
そんなVANQUISHは、ブランディングにインスタグラムを活用しました。

他のSNSと比べて文章が必要なく、写真で魅力を伝えられるインスタグラムはタイでのマーケティングに最適です。

このようにして、VANQUISHはタイで現地法人を持ち直営店の運営をするといった拡大を見せました。

タイでマーケティングする時の注意点

タイでマーケティングする時の注意点

タイへのマーケティング進出はメリットが多いですが、タイ特有の注意点があります。

誤ったターゲティングやアプローチをしてしまわないよう、注意点を押さえましょう。

政治事情による経済の下振れリスクがある

タイでマーケティングする時の注意点

タイは政治事情によって、経済が下振れするリスクを抱えています。

財務省によると、タイは2005年以降農民や低所得層が支持するタクシン派と、都市部の中所得層や特権階級が支持する反タクシン派による政権争いが継続中です。

この政権争いは死者の出るデモやクーデターが起こるほどで、これまで何度もタイ経済に悪影響を及ぼしてきました。

現在下院での議席がなんとか過半数を占めるといった状況の反タクシン派ですが、安定した政権運営ができるかどうかは注視が必要です。

また政権のみならず、タイ経済は王室の状況によっても経済影響を受けることがあります。

国民から支持を得ていたプミポン国王が2016年に逝去した際、国全体に自粛の風潮が流れて購買活動が停滞しました。

このように、タイでは政治の状態によって経済が下振れするリスクがあることを押さえておきましょう。

少子高齢化が進行している

少子高齢化が進行している

タイでは少子高齢化が進行しています。

大和総研によると、タイは2002年で既に高齢者の割合が7%に到達。

高齢化率が14%を超えると高齢社会と定義されますが、タイは2022年に到達すると予測されています。

また少子化についても、同じく大和総研によると、2015年の出生率は1.5と低い数値です。

出生率は2050年にかけて1.5〜1.6で推移すると予測されており、少子化も進む傾向にあります。

そのため、少子高齢化が進む日本を補うための海外進出である場合は注意が必要です。

地域の所得差がある

地域の所得差がある

タイでは地域間で所得差があります。

JETROによると、地域別の人口を踏まえて1人当たりGDPを算出すると、もっとも高いのが東部、次いでバンコク周辺部であるのに対し、東北部は最下位となります。

金額で比較すると、東部とバンコク周辺部がともに40万バーツを超えるのに対し東北部は8万パーツ程度で、5〜6倍の差があるのです。

この背景は、東部は付加価値の高い工業製品の製造拠点であり、東北部は主要産業が農業であること。

タイ経済は2014年に発生したクーデター以降鈍化したものの、2017年頃には回復し、個人消費も増えたと言われています。

しかし、これは主に都市部の発展であり農村部の景気は改善が見られないと言われているのです。

そのため、タイは地域によっては高品質な日本の商品やサービスに手の届かない層もいます。

タイでは地域で所得差があることを覚えておきましょう。

コスト面での競合が多い

コスト面での競合が多い

タイにはコスト面の競合が多数存在します。

これまでタイ進出のメリットでコストの安さを挙げましたが、全て現地のリソースでビジネスが完結する現地企業は、低コストで商品やサービスを提供できるということです。

JETROも進出に関しての課題としてコスト面での競合を挙げています。

もし、日本で低価格が売りの商品やサービスをタイで展開する場合は工夫が必要です。

例えば手軽にバランスの良い食事を摂れると人気の大戸屋は日本でお手頃なイメージですが、タイでは少し高級な日本料理としてデートに選ばれるようなお店となっています。

この戦略は成功しており、商業施設ターミナル21の大戸屋は入店に待ち時間が発生するほど。

同じく100円ショップのダイソーも、タイでは1点60バーツと180円ほどで日本よりも高価格なのにもかかわらず、日本の良い物が手に入るというイメージで成功しています。

タイではコスト面の競合が多いため、低価格な商品やサービスを提供する場合は注意しましょう。

最後に

タイのマーケティングならAdAsiaにおまかせ!

いかがだったでしょうか。

タイ進出のメリット、成功例と注意点を確認し、タイでのマーケティングがイメージしやすくなっていると思います。
しかし、慣れない海外でのマーケティングは言葉も違って不安が伴うもの。
そんな時は、プロフェッショナルのサポートを受けるのも手です。

タイは東南アジアのハブであり、進出のメリットがある国です。

そんなタイでのマーケティングは、ビジュアル的にわかりやすいアプローチが有効。

タイはオススメできる進出先ですが、地域の所得差など、注意すべき点もあります。

タイでのマーケティングに不安を感じたら、どんな些細なことでもお気軽にお問い合わせください。
マーケティングとタイのプロフェッショナルがサポートいたします。

では。

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