台湾で広告を出稿する際に必要な広告費についてお調べでしょうか。
台湾と日本では広告事情が異なるため、現地事情を把握しないままでは効果的な広告展開は期待できません。
台湾ではWeb広告が成長しており、中でも圧倒的なユーザー数を誇るFacebook広告の検討は必須です。
一方で、テレビ広告の効果ももちろんあり、目的に応じて広告タイプを使い分ける必要があります。
そこで本記事では、台湾で広告費がかけられている媒体、各媒体で費用対効果を上げるにはどうしたら良いか、といった内容を詳しく解説。
本記事を読めば、台湾での広告費のかけ方がわかります。
本記事を参考にして、広告費を効果的に無駄なく使い、台湾進出を成功させましょう!
目次
まずは台湾の広告市場を押さえよう!
まずは、台湾の広告市場の状況を押さえましょう。
ここでは、以下の内容を解説します。
- 台湾の広告市場は日本よりも小規模
- 台湾の広告市場規模の推移
- 広告費の内訳
台湾の広告市場の状況を把握すれば、トレンドを押さえた効果的な広告展開が可能です。
以下で、詳しく見ていきましょう。
台湾の広告市場は日本よりも小規模
台湾の広告市場は、日本よりも小規模です。
2018年の台湾における全体の広告費は714億元で、日本円に換算すると約2,576億円になります。(出典:DMA)
同年の日本における総広告費は6兆5,300億円であり、台湾の広告市場規模は日本の約3.9%です。(出典:電通)
さらに、2018年の台湾における名目GDPは64兆1,891億円(17兆7,931億元)、日本の名目GDPは548兆4,961億円で、名目GDPに対する広告費の比率は、台湾が0.4%、日本が1.19%となります。(台湾:世界経済のネタ帳、日本:電通)
台湾の広告市場は、金額面や名目GDPに対する比率から見ても、日本より小規模と言えるのです。
台湾の広告市場規模の推移
続いて、台湾の広告市場規模の推移を確認しましょう。
デジタル広告費 | デジタル以外の広告費 | 合計 | |
2014 | 161億8,000万 | 447億 | 608億8,000万 |
2015 | 193億5,000万 | 420億 | 613億5,000万 |
2016 | 258億7,000万 | 367億 | 625億7,000万 |
2017 | 331億 | 332億 | 663億 |
2018 | 389億6,000万 | 324億4,000万 | 714億 |
(単位:元)
デジタル広告市場は、2018年には2014年の2.4倍まで規模が拡大しています。
デジタル広告以外の広告費は徐々に減少していますが、全体の広告費は2014年から2018年にかけて100億元以上増加しており、台湾の広告市場は年々拡大しているのです。
台湾の広告市場規模は、今後も拡大していくと考えられます。
広告費の内訳
さらに、台湾の広告費の内訳を確認していきましょう。
2018年の台湾における広告費のうち、最も多くの割合を占めているのが54.6%の「デジタル広告」で、次に多いのが24.8%の「ケーブルテレビ広告」です。(出典:DMA)
デジタル広告に関しては、「ディスプレイ広告」が38.7%と最も多く、次いで「検索広告」が24.41%、「動画広告」が17.88%となっています。(出典:DMA)
SNSでの広告展開が最も多く、約39%です。(出典:DMA)
台湾の広告は、テレビ広告がまだまだ存在感を示していますが、デジタル広告が半数以上を占めています。
台湾で広告費がかけられている媒体は?
台湾の広告市場の状況を確認してきました。
ここでは、台湾で広告費がかけられている媒体について見ていきましょう。
- 成長するWeb広告【目的にあった使い分けが重要】
- Web広告の中でもFacebookは検討必須【圧倒的なユーザー数】
台湾で広告費がかけられている媒体を知れば、活用すべき広告媒体がわかります。
以下で、詳しく見ていきましょう。
成長するWeb広告【目的にあった使い分けが重要】
台湾においてWeb広告は成長を続けており、活用を検討すべき媒体です。
2011年に102億1,000万元だったWeb広告費は、2018年には389億6,000万元まで拡大し、17.7%の高い成長率を保っています。(出典:DMA)
一方で、テレビ広告の効果ももちろんあり、目的に応じて使い分けることが重要です。
2018年の台湾における広告費のうち、「ケーブルテレビ広告」が24.8%、「地上波テレビ広告」が4.2%で、29%がテレビ広告であり、まだまだ存在感を示しています。(出典:DMA)
台湾では、地上波とケーブルテレビ合わせて300のテレビチャンネルがあり、大部分はニュース・娯楽・子ども向けなどの専門チャンネルです。
そのため、チャンネルの特色を活かして広告配信することで、効果的に広告展開することができます。
例えば、旅行系サービスの広告ならば世界旅行の番組で人気の「八大電視」、日本の商品を宣伝したいならば日本専門チャンネルを持つ「国興衛視」で広告を出稿することで、効果的な広告展開が可能です。
台湾で成長を続けるWeb広告は活用すべき媒体ですが、テレビ広告も目的に応じて使い分けることが重要になります。
Web広告の中でもFacebookは検討必須【圧倒的なユーザー数】
台湾において、Web広告の中でも圧倒的なユーザー数を誇るFacebookの活用は検討必須です。
2018年時点で、台湾におけるInstagramユーザーは全人口の33.8%の806万2千人ですが、Facebookユーザーは台湾の全人口の81%である1,929万人に及び、圧倒的なユーザー数を誇っています。(Instagram:NapoleonCat.、Facebook:NapoleonCat.)
また、使用頻度の高さも57%と、Facebookが一番です(出典:AUN CONSULTING)。
さらに、Facebook広告ではユーザーデータを用いた細かいターゲティング設定ができるため、効果的な広告展開が可能です。
Facebook広告は、圧倒的なユーザー数を誇り、ターゲティングの精度も高いため、検討必須の媒体です。
インターネット広告はCPAが押さえやすい?Facebook広告と検索広告について解説
台湾で広告費がかけられている媒体について確認してきました。
台湾で成長著しいインターネット広告・デジタルマーケティングの活用は検討すべきですが、インターネット広告・デジタルマーケティングはCPAが押さえやすいのでしょうか。
ここでは、Facebook広告と検索広告について解説していきます。
Facebook広告と検索広告について知れば、各媒体で効果的に広告展開することが可能です。
以下で、順に詳しく見ていきましょう。
Facebook広告
Facebook広告は、台湾において圧倒的なユーザー数を誇り、広告出稿には有用な媒体です。
ここからは、Facebook広告で費用対効果を上げる方法をご紹介します。
- Facebook広告の効果はパラメーターで決まる
- コメント対応は費用対効果に影響大!【口コミ効果】
- KOLの起用もアリ?【選定が重要】
以下で、詳しく見ていきましょう。
Facebook広告の効果はパラメーターで決まる
Facebook広告の効果はパラメーターで決まります。
Facebookで作成する広告はURLパラメーターが設定でき、広告のトラフィックがどこで発生し、どの広告でコンバージョンが増えたのかを特定できるため、広告の効果の分析が可能です。(出典:Facebook for Business)
効果的な広告出稿に役立ち、効果の出ない広告に無駄な費用を使わなくて済むため、CPAを押さえることができます。
2018年におけるFacebook広告のCPC平均値は、ピークが12月の44セントで、2016年の最低値の3倍です。(出典:AdEspresso)
低いCPCは期待できないため、URLパラメーターを活用して費用対効果の高い広告運用をしていく必要があります。
Facebook広告でURLパラメーターを活用し、効果的に広告展開していきましょう。
コメント対応は費用対効果に影響大!【口コミ効果】
Facebook広告は、コメント対応が費用対効果に大きな影響を及ぼします。
ネガティブコメントを放置して炎上してしまったために、 CPAが急激に悪化するケースもあるのです。
ユーザーの共感を得られるようなコメント対応ができれば、「口コミ効果」によってユーザー同士で拡散され、コンバージョンを獲得しやすくなります。
暴言や差別、広告と関係のない外部リンクが記載されたネガティブコメントは、削除するようにしましょう。
また、ポジティブ・ネガティブ問わずコメントへ積極的に返信することで、自社のブランド価値が高まり、ファンの育成につながります。
ユーザーの共感を得られるコメント対応で、費用対効果の高い広告運用を行っていきましょう。
KOLの起用もアリ?【選定が重要】
KOLの起用は効果がありますが、選定が重要です。
KOLとは、販売促進に影響力を持つ専門家のことを意味します。
台湾では、商品やサービスの提供者ではなく、個人の発する情報が重要視されるため、インフルエンサーやKOLの影響力は絶大です。
KOLが発する情報は専門性を有するため、インフルエンサーよりも信頼性が増します。
ただし、KOLならば誰でも良いわけではなく、自社の商品・サービスに合ったKOLを選定することが重要なのです。
例えば、化粧品のマーケティングならば、台湾出身のカリスマ美容スタイリスト「Kevin老師」といったKOLを選定することで、効果的なマーケティングが期待できます。
自社の商品・サービスとマッチしたKOLを選定し、Facebook広告で効果的に広告展開していきましょう。
検索広告
続いて、検索広告について解説します。
- GoogleとYahoo!が2強【Yahoo!奇摩も】
- 目的に応じて広告タイプを使い分ける
以下で、詳しく見ていきましょう。
GoogleとYahoo!が2強【Yahoo!奇摩も】
台湾の検索エンジンは、「Google」と「Yahoo!」が2強で、「Yahoo!奇摩」も強い影響力を持っています。
台湾における検索エンジンのシェア率は、Googleが89.3%で1位、Yahoo!が9.7%で2位で、2つ合わせて99%と、ほとんどのシェアを占めています。(出典:株式会社メンバーズ)
Yahoo!奇摩は、台湾版Yahoo!のポータルサイトで、2006年にYahoo!が当時の最大手ポータルサイト「奇摩站 (kimo.com) 」を買収し、「奇摩」の名前を残したことが名前の由来です。
Yahoo!奇摩はニュースや知恵袋などのコンテンツが充実しているため、好んで利用する人が多くいます。
台湾で検索広告を出稿するには、GoogleとYahoo!の2強を押さえることが大切です。
「Google 広告」は、配信国を台湾、言語を繁体字にすれば台湾のユーザーへ向けて広告配信できます。
Yahoo! JAPANの検索エンジンはGoogleが採用されていますが、Yahoo!奇摩はBingが使われているため、英語での操作が必要です。
台湾で検索広告を出稿する際には、GoogleとYahoo!の2強を押さえましょう。
目的に応じて広告タイプを使い分ける
検索広告は、目的に応じて広告タイプを使い分けることが重要です。
目的に応じて広告タイプを使い分けることで、ターゲットとするユーザーに広告を届けることができます。
広く多くのユーザーに向けて広告配信し、認知度を高めることを目的とする場合には、「ディスプレイ広告」を活用しましょう。
Google 広告の「Google ディスプレイネットワーク」は、Googleの提供するコンテンツ連動型広告で、Googleの審査を通過した優良なWebサイトや、GmailやGoogle マップといったツール上での広告掲載が可能です。
台湾のインターネットユーザーの約9割に向けて、幅広く広告配信できます。(出典:株式会社メンバーズ)
自社の商品・サービスを利用してくれる可能性のあるユーザーへ向けて広告配信することを目的とする場合には、「リスティング広告」を活用しましょう。
Google 広告では、Googleの検索ネットワークに検索結果と一緒に広告が表示されます。
台湾向けのリスティング広告は、キーワード毎の単価が日本向けに比べて非常に安いです。
例えば、キーワード「旅行」に対しての広告出稿推奨単価は、日本では72円ですが、台湾向けでは36円で半分となっています。(出典:LIFE PEPPER)
検索広告は目的に応じて広告タイプを使い分け、ターゲットとするユーザーに向けて広告配信し、効果的に広告展開していきましょう。
【テレビ広告】広告費を抑えたい場合はプレースメント広告がオススメ
Web広告について、詳しく見てきました。
Web広告は活用を検討すべき媒体ですが、テレビ広告もチャンネルの特色を活かして広告配信することで、効果的に広告展開することができます。
テレビ広告の広告費を抑えたい場合には、「プレースメント広告」がオススメです。
ここでは、以下の内容を解説します。
- プレースメント広告は制作費が抑えられる
- マスにアプローチする場合は制作費をかけるのもアリ
以下で、詳しく見ていきましょう。
プレースメント広告は制作費が抑えられる
プレースメント広告は、制作費が抑えられます。
プレースメント広告とは、映画やテレビ番組内で商品や企業ロゴを登場させ、広告の意識を持たせずに宣伝効果を狙う広告手法です。
通常のテレビ広告の制作費は、タレントを起用しなくても企画・撮影・編集で数十万円、有名タレントを起用すると数千万円の費用が必要になります。(出典:NewsPicks)
プレースメント広告は、例えば、テレビ番組に出演する芸能人のオススメ商品として紹介してもらうことで広告効果を得るため、制作費を抑えることが可能です。
実際のプレースメント広告では、1回の放送で300〜400件、中には1,000件超の注文が寄せられるなどの事例もあります。(出典:Findstarグループ)
ただし、プレースメント広告を実施する場合には、広告であることを明記し、広告主や協賛者の表示が必要です。(出典:フォーカス台湾)
法律を守ってプレースメント広告を活用し、テレビ広告にかかる費用を抑えましょう。
マスアプローチをする場合は制作費をかけるのもアリ
マスアプローチをする場合は、制作費をかけるのもアリです。
まず、2017年時点の台湾におけるインターネット普及率は92.8%で、ほとんどの台湾人がインターネットを利用しています。(出典:世界経済のネタ帳)
さらに、台湾ではインターネットからのテレビ視聴者が多いため、テレビ広告は多くの人の目に触れる機会があるのです。
多くの台湾人に向けてアプローチしたい場合には、制作費をかけてテレビ広告を出稿し、認知度を高めることも有用と言えます。
インフォマーシャルを実施すれば、制作費だけで200万円程度かかりますが、事業規模の拡大も可能です。(出典:Findstarグループ)
マスアプローチをしたい場合には、制作費をかけてテレビ広告を出稿するのも効果が期待できます。
最後に
いかがだったでしょうか。
台湾での広告費について詳しく見てきました。
台湾ではWeb広告が成長しており、中でも圧倒的なユーザー数を誇るFacebook広告の検討は必須です。
一方で、テレビ広告の効果ももちろんあり、目的に応じて使い分ける必要があります。
とはいえ、台湾で広告展開する際には、現地事情の理解も重要です。
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どこに相談したらいいかわからない方は、僕の方にご相談しても歓迎です。
では。