台湾の広告事情をお調べでしょうか。
台湾ではインターネット広告・デジタルマーケティングの勢いが強く今尚、規模は成長中です。
しかし、文化の違う国での事業展開には注意も必要となります。
効果を発揮するためのポイントや注意点を理解しなければ、効果のない広告に費用だけ支払うことにもなりかねません。
そこで本記事では、効果のない広告に費用を払うリスクを回避するために、台湾進出に役立つ情報と注意点の解説をします。
記事を読めば、台湾の広告事情、台湾進出の際に効果的な広告媒体の知識を得ることが可能です。
本記事を読んで、現地の広告事情を加味した展開を検討し台湾進出を成功させましょう。
目次
まず確認!そもそも台湾進出は本当にアリなのか?
海外展開する際は、進出した先に収益や集客が期待できるかどうかの判断が必要です。
広告展開した先に集客の見込みがない状態では、事業展開の提案も容易ではありません。
一方で成功する見込みがあれば、広告展開する価値があると判断できて進出の決断も容易になります。
以下で詳しく見ていきましょう。
【結論:アリ】親日的で日本ブランドの評価が高い
結論からいうと、日本企業は台湾進出すべきと言えます。
なぜなら、台湾は親日的で日本ブランドの評価が高いからです。
台湾の書店に足を運んでみても、雑誌のコーナーには日本の雑誌が並び中国語版が印刷されるほど人気があります。
親日感情が強く日本がブランドとして捉えられている台湾において、新規進出は効果的です。
【台湾の広告事情】数値や現地情報に基づいて詳しく解説
前述の通り台湾は親日で、日本がブランドとして捉えられているため事業展開に適した風土があるため台湾進出の検討が推奨されます。
しかし、外国に進出する際は、現地における広告事情を加味した展開の検討が必要です。
事業展開する上で、現地の広告事情を知らなければ市場の小さな分野に広告展開して費用を無駄にするリスクもあります。
現地の広告事情を知れば小さい市場を回避して、認知の高い市場に展開するという選択が可能です。
台湾の広告事情を示す、広告市場と広告媒体の特徴について見ていきましょう。
広告市場の規模と内訳【基本情報を押さえる】
まずは、広告市場の規模と内訳です。
台湾の広告費市場規模は2015年時点で、20億6,600万USドルになります。(引用:statista)
そのうち、Web広告は、5億6,000万USドルと全体の30%近い割合です。
2010年-2015年では200%近い成長率で、台湾におけるWeb広告の市場割合は増加の一途を辿っています。
台湾においてWeb広告は、広告市場を支える大きなシェアを占めているのです。
台湾で主要な広告媒体について概要を見る
続いては、台湾の主要な広告媒体についての概要を紹介します。
広告媒体はSNSや検索エンジン、テレビや新聞など多岐に渡り、その特徴も様々です。
もし、媒体の特徴を知らずに展開すれば目的とするユーザー層が少ない箇所に、広告費用をかけてしまうリスクもあります。
一方、特徴を知れば、自分の目的にあった期待値の高い媒体を選択することが可能です。
台湾の主要な広告媒体について、それぞれ見ていきましょう。
Facebookは、台湾において認知度の高い媒体です。
2019年1月時点の調査では、全2,100万人のインターネット利用者のうち1,900万人がFacebookを利用していると報告されています。(出典:We Are Social)
全インターネット人口の約8割がFacebook利用しているのです。
また、動脳brainによると18~54歳の台湾人ユーザーはFacebook系のサービスの利用回数が1日平均18.5回と利用頻度も高いです。
Facebookは、台湾において利用者も利用頻度も高いため、幅広い人への認知に有効な広告媒体となります。
Instagramは若者にリーチしたSNSです。
ユーザー数は830万人で、台湾のネット利用者全体の36%程度が利用しています。
Instagramは台湾において若者のユーザーが多く、ファッションやコスメなど若者に向けた広告が効果を発揮する媒体となります。
YouTube
台湾においてもYouTubeは人気の媒体です。
週当たりの平均視聴時間は14.6時間といわれており、1日平均2時間程度は視聴している計算になります。(出典:ECのミカタ)
また、2015年の調べで月間ユーザー数は、前年比80%増となる930万人です。(出典:ExchageWire)
また台湾では、個人の発信が信頼を得るという風土があるため、YouTuberを起用したインフルエンサーマーケティングの相性も良いと言えます。
このようにYouTubeは台湾において、利用率・利用ユーザー数だけでなく台湾という文化的観点からみても広告に適した媒体です。
個人ブログ
台湾では、個人ブログの情報の信頼性が高く評価されています。
JNTOが発表している「平成27年における訪日外国人の消費動向」では、台湾人観光客が日本に来る際に参考している媒体の1位はブログです。
回答者の37.7%の人が、訪日観光の際にブログを参考したと回答しています。
台湾において、個人ブログは影響力の大きい広告媒体です。
検索エンジン
台湾において検索エンジンは、Googleの利用がほとんどです。
2019年1月時点の調べでは、9割近いユーザーがGoogleを利用していました。(引用:Member’s)
利用率の高さからみて、Gooogle広告の展開は高い効果が期待できます。
台湾において検索エンジンの利用率はGoogleが高く、広告媒体としても有用です。
テレビ
台湾において、テレビ広告の効果は期待値が低いです。
放送局が非常に多く、チャンネル数は100以上あるため、1%の視聴率すら困難とされています。
日本では民放5局+NHKとテレビ局が少ないので、効果的なテレビ広告ですが台湾において同様の効果は期待できません。
台湾において、テレビはユーザーにリーチしにくい広告媒体なのです。
新聞
台湾においては、新聞の市場規模が縮小傾向です。
2008年から2015年にかけて、約6割まで市場規模が低下しています。(引用:We Are Social)
インターネットの普及につれて紙媒体の利用が低下しているのです。
台湾進出において、新聞は広告媒体として効果的でないと言えます。
必見!台湾における広告展開を成功に導く為のポイント
外国において広告展開をする際は、ポイントを押さえる必要があります。
例えば、その地域で使われていないSNSで広告をしても広告費をとられるだけで、宣伝としての効果は見込めません。
一方で、現地のポイントをおさえた広告展開をすれば、多くのユーザーから信頼を勝ち取ることも可能です。
台湾における広告展開を成功に導く為のポイントは3つあります。
- 個人への信頼が高いことを意識した施策を打つ
- 今から始めるならWeb広告は検討必須
- クリエイティブをローカライズする【台湾用繁体字表記は必須】
それでは、見ていきましょう。
ポイント1.個人への信頼が高いことを意識した施策を打つ
1つめのポイントは、個人への信頼性です。
台湾では、企業よりも個人の発信がより信頼性が高いとされる文化があります。
そのため、企業広告よりもブログ、YouTuberなどのインフルエンサーの発信が効果的です。
台湾の広告展開では、個を重視するインフルエンサーマーケティングが有効となります。
ポイント2.今から始めるならWeb広告は検討必須
台湾で広告展開するなら、Web広告の検討は必須です。
2011年に1億200万台湾ドルだったデジタル広告市場は、2018年にはほぼ4倍となる3億8,960万台湾ドルまで増加しています。(出典:DMA)
市場規模がこれだけ増加しているのは、台湾におけるWebの利用率の高さからです。
2017年の調べでは、台湾のインタネット利用ユーザーは全国民の92.78%に及びます。(出典:世界経済のネタ帳)
今後の台湾における広告展開では、Web広告が必須といえます。
ポイント3.クリエイティブをローカライズする【台湾用繁体字表記は必須】
3つ目のポイントは、クリエイティブのローカライズです。
日本で配信したものを、そのまま使っても効果は期待できません。
台湾では「台湾用繁体字」、「香港用繁体字」と「中国大陸で使われる簡体字」の3つの文字が利用されています。
漢字だからどれも同様ということはなく、台湾での広告に香港用繁体字を使えば違和感のある広告となるのです。
例えるなら、日本向けの広告が中国漢字で表記されているような違和感があります。
そのため広告製作では、台湾にローカライズされた台湾溶繁体字を用いた製作が必要になるのです。
気をつけて!台湾で広告展開するときの注意点
外国で広告展開をする上では、注意点の把握も必要です。
注意点を把握しておかなければ、回避できるリスクを選択して不要な失敗を経験する危険があります。
台湾でWebの広告を展開する際の注意点は、以下の2つです。
- KOLの選定
- 広告手法は予算や目的などを考慮して選定する
注意点を把握して、リスクを回避した効果的な広告展開を行いましょう。
注意点1.KOL爆増中!?選定は慎重に
KOLとはKey Opinion Leaderの略で、端的に言えば中国版のインフルエンサーです。
台湾では個人の発信が強いという観点から、KOLが増加しています。
KOLマーケティングが流行り、KOLが爆増しているため選定には吟味が必要です。
例えば、PRばかりしている規模の小さいKOLはあまり効果が期待できません。
なぜなら、見ているユーザーも、企業からのオファーでPRしているだけだと分かるため信頼を掴めないからです。
台湾において、KOLマーケは効果的ですが、注意して吟味する必要があります。
注意点2.広告手法は予算や目的など各項目を考慮する
台湾で広告展開する際は、広告手法の考慮に注意が必要です。
顕在ニーズを集めるならリスティング、認知拡大をしたいならKOLなど目的によって選択すべき広告手段は異なります。
特にKOLマーケについては依頼する相手に応じて必要な費用も大きく変動するため、予算があまりない人であれば、一層に慎重な選択が必要です。
風土の異なる外国だからこそ、手法の選択については慎重な考慮が必要になります。
最後に
いかがでしょうか。
台湾は親日感情が強く、日本ブランドに対してプラスのイメージが強いため進出に適した国です。
台湾ではデジタル広告市場の規模が拡大している事情から進出の際には、Web広告は必須です。
また、個人の発信に対する信頼性が強い文化からKOLマーケが効果的とされていますが、依頼するKOLが多く選択は容易ではありません。
もし何かあればお気軽にご相談くださいませ。
では。